東浩紀・北田暁大 編『思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション』


ひさしぶりに思想系の本を読んだ。なぜなら、教え子の原稿が載っているから。偶然日経新聞で記事で見つけたときは、「同姓同名?」とびっくりしたものですが、年齢もだいたいあっているし、経歴を読むと、「ああ、彼らしい」と思えるエピソードいっぱいだったので、間違いないだろう、と。立派になったものだなあ、と偉そうに思うけど、中学生の当時から、そういった萌芽はあったような気がしていて、「ああ、さもありなん」って感じです。こうした瞬間に出会えるのは、教育に携わっていて良かったなあ、と思えるポイントですね。
以下、教え子の原稿とはまったく関係ないけど、興味深かったところをメモ。

p.54

近年、娘に依存し、娘の人生を支配しようとする母親が増えているが、さまざまな家族療法は、このような問題と夫婦関係との関連を指摘する。夫婦の絆が固く結ばれていれば、母親は子どもに濃密な情緒的紐帯を求める必要はないからだ。しかし、その絆は母から一方的に結ばされた者で子どもが選んだわけではない。母親が子どもを自らの依存対象に仕立て上げ、子どもが母親を支えるという構造が生じることで、子どもには多大な負担と重圧がかかる。母の権力はしばしばこのように行使される。その背後に夫との関係を読みとる必要があることは言うまでもない。
」(それでも、家族は続く(信田さよ子


p.85 (ゲームプレイ・ワーキング 鈴木健
労働のゲーム化の最もおもしろい例:
株式会社バリュープレス

・社内の業務システムがゲーム形式になっている。
・RPGをするかのように仕事ができる。
・社員が行う仕事は、サポートから営業にいたるまで、ひとつひとつがタスクリストとして管理されていて、タスクをこなすのにかかった時間が案件とひもづけられていて、管理会計上の案件ごとの粗利益が自動的に計算されるようになっている。=経験値稼ぎ
・タスクをこなすと、その仕事の質に応じた経験値が入る。
・レベルアップの音楽がなって、オフィス内にアナウンスがされる。
・レベルアップしていくと、会社の中で自分がくりだせる「技」が増えていく(名刺を持てたり、部下を採用できたり…)


p.89 (ゲームプレイ・ワーキング 鈴木健
リグレト「みんなでヘコめばコワくない!ヘコむを楽しむ リグレト」というキャッチコピー
→リリース後1ヶ月で数百万PV