野村恭彦『フューチャーセンターをつくろう』

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み


フューチャーセンターに興味があったので、この機会に読んでみた。対話から実践が生まれる場所を作るためのさまざまな実践がある感じがして、オフィスや教室の環境作りのヒントにもなりそうな。

p.57-58
野中郁次郎 「賢慮型リーダーシップの6つの能力」:

  1. 卓越した「善い」目的をつくる能力
  2. 他者と文脈/コンテクストを共有して場を醸成する能力
  3. 個別の本質を洞察する能力
  4. 個別具体と普遍を往還/相互変換する能力
  5. その都度の状況のなかで、矛盾を止揚しつつ実現する能力
  6. 賢慮を育成する能力


この6つの能力が、フューチャーセンターを立ち上げ、成功に導くために必要。
=フューチャーセンター・ディレクターが持つべき能力

p.60-61
フューチャーセンターの6つの原則:

  1. フューチャーセンターでは、想いを持った人にとっての大切な問いから、すべてが始まる
  2. フューチャーセンターでは、新たな可能性を描くために、多様な人たちの知恵が一つの場に集まる
  3. フューチャーセンターでは、集まった人たちの関係性を大切にすることで、効果的に自発性を引き出す
  4. フューチャーセンターでは、そこでの共通経験やアクティブな学習により、新たなよりよい実践が創発される
  5. フューチャーセンターでは、あらゆるものをプロトタイピング(試作)する
  6. フューチャーセンターでは、質の高い対話が、これからの方向性やステップ、効果的なアクションを明らかにする

p.78-79
フューチャーセンターの方法論:

  1. 対話の方法論

相互理解・信頼の関係性を構築する、異質から気づきを得る、内省や思考を深める
例:ワールドカフェ、OST、AI、フィッシュボウルなど

  1. 未来志向の方法論

複数の未来シナリオを想定する、未来からバックキャストする
例:未来スキャニング、シナリオプランニング、フューチャーサーチなど

  1. デザイン思考の方法論

体験から学ぶ、作りながら学ぶ、形にしてみることで改善し続ける
例:ユーザー観察、ブレインストーミング、経験プロトタイピングなど

p.90
フューチャーセンター・セッションのファシリテーターに不可欠な7つの仕掛け

  1. 「ケア」するメール
  2. あこがれベンチマーキング
  3. アガペー(神の愛)モード
  4. 鍋奉行ホワイトボード
  5. 付箋ワークセッション
  6. 内職プレゼンテーション
  7. あとづけバイオグラフィー

p.134-135
コミュニティ中心経済の10原則

  1. これからの社会は、「コミュニティの生成力」が成功指標になる
  2. これからの社会変化は、「相互につながったコミュニティ」によって伝播する
  3. これからの企業は、「市場から」ではなく「コミュニティから」発想して価値をつくる
  4. これからのイノベーションは、「新たなコミュニティの単位」の発見、可視化、活性化を実現することになる
  5. これからのワーカーは、「組織から」ではなく「個のつながり(コミュニティ)」で仕事をつくる
  6. これからの仕事環境は、「組織に囲われた場所」ではなく、「コミュニテイに開かれた場所」になる
  7. これからの人材育成は、「多様な人と人のつながり」により、「いつもの領域超え(冒険)」の機会をつくる
  8. これからの組織は、役割ではなく「人」として存在できる「安心な場(コミュニティ)」になる
  9. これからの地域コミュニティは、世代や地域を超えてつながるための「主体性を引き出す劇場」を持つ
  10. これからの経済は、「コミュニテイを中心に動く」ようになる

平林亮子『お金が貯まる5つの習慣 節約・投資・教育・計算そして感謝』


お金の貯め方って大事よね、ということでファイナンシャル・リテラシーのカリキュラムを作る時に役立つかな?と思ってみたりして。だが、まあそりゃそうだ、というのが多いかな…。

第1章 節約とはお金をコントロールするための習慣である

  • タバコを吸わない
  • 自分へのご褒美を買わない
  • 常に節約する
  • 持ち家に住んでいる
  • 安いものを買わない
  • 買うときは安く買う
  • 根拠のない確信を持っている

第2章 投資とはリスクを回避するための習慣である

  • 宝くじを買わない
  • 正当な報酬は堂々と受け取る
  • 労働時間は気にしない
  • 勉強する
  • 好きなお店に通う
  • 寄付をする
  • 食事をご馳走する
  • お金を儲けすぎない
  • その日のうちに行動を起こす
  • 預金よりも借金をする
  • できない理由を探さない
  • 運を否定しない
  • 自分で自分の限界を決めない

第3章 教育とは身を守るための習慣である

  • 訴訟をいたずらに怖がらない
  • 引き出せない口座を持っている
  • 家族の保証人になる
  • できるだけお金を残さない
  • 会社を利用する
  • 事前に弁護士のチェックを受ける
  • 購入するときに売却時のことを考える
  • 住宅ローンの繰上返済はしない
  • 世界に目を向ける
  • 子どものうちから大人と接する

第4章 計算は感情に流されないための習慣である

  • お金の使い道を広く模索する
  • お金の情報を冷静に整理する
  • 一攫千金よりも細く長くお金を稼ぐ
  • 給与を多くするのではなく手取りを多くする方法を考える
  • 会社を持つ
  • 常に名義に気を配る
  • バランスシートの発想で資産を整理する
  • 感情に流されない

第5章 笑顔と感謝は日々を幸せに過ごすための習慣である

  • 早寝早起きである
  • いつもニコニコしている
  • 損得を考えない
  • 世間の常識にとらわれない
  • 常に感謝する

近藤勝重『書くことが思いつかない人のための文章教室』

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)


文章力を育てるカリキュラムは、作りたいなあと思っているので、いろいろと情報を集めて勉強したりしています。だいたい、作文ってほとんど習わないじゃないですか。「書いてみましょう」と言われ、書いたらコメントをつけられ直させられる、という国語の授業じゃ、上手になんてならないと思うのですよね(上手に教えていらっしゃる先生もいるかも知れませんけど…)
p.178で取り上げられている練習題、おもしろいと思いますね。曰く、次の文例は「思う」「考える」「感じる」を使った文章です。その三語を使わない文章に書き換えてください。

コートを着て家を出たものの、風が冷たく感じられた。今日一日の仕事はほとんど外回りである。風邪気味であることも考えると、オーバーのほうがいいと思い、家に引き返した。

おおお、こういうの楽しいじゃないか。主観と客観の違いが感じられるのじゃないかなあ。

目次
描写力をどうつけるか
 →人に報告するつもりで見る
 →事物との関係性の確認
観察力をどう養うか
 →全体から部分、部分から細部を
 →岸部一徳をどう描くか
描写と説明の違い
 →説明は必要最小限度に
 →説明だけですませるな
独自の視点で書くには
 →納得/共感/驚き・不思議
共感を呼ぶには
 →第一に場面定時
 →人、物、自然との関係を描こう

書く手順とは?
箇条書きから始める
 →メモを取る
 アイデアはすぐ書き留める
現在・過去・未来の順に書く
 →何事も現在から

文章はこう直す
「思う」「考える」「感じる」を減らそう
 →「思う」と「考える」の違い
 →「思う」「考える」「感じる」を使わない文章
推敲の手順
 →もう一人の自分の目で
 →重複表現と同じ言葉の多用

p.62
見方・視点は「納得」「共感」「驚き・不思議」の3つのファイルに分けて、新聞や雑誌、本に登場の人の話でそれらに該当するものがあれば切り抜いたり、コピーしてそれぞれのファイルに収めていく。

この作業でファイルの内容が印象に残り、記憶に刻まれる。
「こういう見方があるのか」という学びにもなる。

p.29
「思う」ことと「思い出す」ことは違う
→原稿用紙に向かって何も浮かんでこない時には、「思う」よりも「思い出す」ことだ。

p.177
「思う」「考える」に「感じる」を加えた3つの言葉を使わないで文章を書いてみようという練習をしてみよう。

p.178
「『私は社会と理科の教科書を本棚から取って机に置いた。しばらくして理科の教科書を戻した』。これだけでも僕が社会の勉強をしようと思ったことがわかるじゃないか」
岸本さん(注:エッセイストの岸本葉子さん)は先生の言葉を受けて、こう話しています。
「先生はまさに主観と客観の違いを教えてくれたのではないか」

次の文例は「思う」「考える」「感じる」を使った文章です。その三語を使わない文章に書き換えてください。

コートを着て家を出たものの、風が冷たく感じられた。今日一日の仕事はほとんど外回りである。風邪気味であることも考えると、オーバーのほうがいいと思い、家に引き返した。

岡本裕一朗『本当にわかる現代思想』

フシギなくらい見えてくる!  本当にわかる現代思想

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる現代思想


現代思想については、大学生の頃に本当に好きでした。まあ、かぶれていたといっていいでしょう。「アンガージュマン」とか「パノプティコン」とか「ア・プリオリ」とか、そういうのを読み漁ってましたね。フェリックス=ガタリとかね。「ミル・プラトー」とかね…。でも、社会人になってからは何だか離れてしまったなあ。やっぱり、現代思想っていうの自体が、今どう生きるか、に直結しないから。
だから、僕の中の「現代思想」って、講談社が出していた「現代思想 知の冒険者たち」っていうシリーズで止まっている感じ。ハーバーマスとか、ロールズあたりで終わってるのかな?その後だって、思想の世界は進んでいるわけで、その先を知りたくって読んだ本。
いやー、「だれ?」って人が多くておもしろかったなあ。知っているのはかろうじて、コミュニタリアンマイケル・サンデルくらいなもんですよ…(苦笑)読みたいな、と思った人をリストアップ。

  • ジャック・ヤング(1942-)p.138
    • 包摂型社会から排除型社会へ
    • ポストフォーディズム・排除型社会・過剰包摂
    • 『排除型社会』は読んでみたいな
  • チャールズ・テイラー(1931-)p.172
  • フリードリヒ・キットラー(1943-2011)p.202
    • 技術メディアが世界認識を変えていく
    • フーコーのメディア論的読みかえ・歴史的アプリオリ・技術メディア
    • 『グラモフォン・フィルム・タイプライター』

大津由紀雄編『小学校での英語教育は必要ない! 』

小学校での英語教育は必要ない!

小学校での英語教育は必要ない!


日本では中学校から大学まで10年間英語を勉強するけど、まあ英語を話せる、という人は少ない。だから小学校からやりましょうということになって、今は5年生と6年生で義務化されたわけですけど、ただやりゃいいってもんじゃないだろう…と思わずにいられないのですよね。英語はただのツールであって、語るべき中身がなければいくらペラペラでも意味なんてないわけで。
いろいろな側面から「小学校での英語って、必要なくない?」ということを考えてみる本。目次を見るだけでも十分おもしろい。認知学習論の今井むつみ先生の、言語学習の臨界期とか言うならば小学校じゃ遅すぎるし、そもそも「世界の人が耳を傾けるに足る内容の技能・知見を持つ人間を教育する」ことが目標じゃないの?という言葉に同意。
あとは、多言語共生社会における言語教育について述べられていた、山川智子先生の「ヨーロッパにおける言語教育政策の検討結果を、安易に日本社会の問題に平行移動させることに警鐘を鳴らしながら、他者を理解する目を養うために、言語の多様性に気づかせる必要があると論じる。それが問題解決能力の育成につながり、その能力こそ中学校期以降の英語学習の動機付けになると主張」されている点も、勉強になる。
その他にも読んでおくべきポイント多数でした。非常に勉強になりました。

  • 斎藤兆史小学校英語必修化の議論にひそむ落し穴」
  • 茂木弘道「小学校英語などとたわごとを言っているときか」
  • 寺島隆吉「小学校「英語活動」の何が問題なのか」
  • 今井むつみ「認知学習論から考える英語教育」
    • 言語学習の臨界期説をさまざまな角度から検討。そのうえで、真の国際人を育成するための英語教育の目標は、「世界の人が耳を傾けるに足る内容の技能・知見を持つ人間を教育する」ことにあると論じる。
  • 内田伸子「小学校一年からの英語教育はいらない 幼稚園~児童期の「ことばの教育」のカリキュラム」
  • 大津由紀雄「小学校での言語教育 「英語教育」を廃したあとに」
    • 英語教育と「国語」教育の連携という視点だけでは捉えきれない「メタ言語能力」という概念を導入し、それを育むための言語教育を提言する。
  • 山川智子「多言語共生社会における言語教育 多様な言語への気づきをきっかけに」
    • ヨーロッパにおける言語教育政策の検討結果を、安易に日本社会の問題に平行移動させることに警鐘を鳴らしながら、他者を理解する目を養うために、言語の多様性に気づかせる必要があると論じる。それが問題解決能力の育成につながり、その能力こそ中学校期以降の英語学習の動機付けになると主張する。
  • 鈴木孝夫「小学校教育に求められる基本的な知識とは」
    • 日本人の「自己アメリカ化」の危険性を指摘する。
  • 波多野誼余夫「「必要ない」か「やめたほうがよい」か」
  • 津田正「君と世間との戦いでは世間を支援せよ! 世間の期待と公立の小学校英語教育」
  • 溝越彰「小学校英語教育反対論は正論か邪論か」
  • 安西祐一郎「語力と教育」

向後千春『いちばんやさしい教える技術』

いちばんやさしい教える技術

いちばんやさしい教える技術


僕が飯のタネにしている、「インストラクショナルデザイン」と言えば、日本ではこの人を外しては語れないでしょ、というくらいメジャーな先生が書く、「教える技術」。これは読まねばならないでしょう。
「教える」とは、「できなかったことができるようになる」「相手に合わせて考え方を変える」「相手の行動を変える」の3つである、ってことはわかりやすい。(p.60)
それに、教えたいことによっても違うので、「運動スキル」「認知スキル」「態度スキル」によっても教え方は変わってくるよね。(p.74)
この組み合わせを上手にはめ込んでいくことが、「設計=デザイン」なんだよなあ、と思う。勉強になりました。先生方は暗黙知的にやっていることが多いような気がするので、小学生くらいの親に読んでほしいなあ、と思った。
以下、メモ。

p.60
「教える」とは:
1.できなかったことができるようになる
 →相手に練習をさせて結果をフィードバックする
2.相手に合わせて教え方を変える
 →相手をよく観察して状況をつかみ、相手にちょうどいい知識を与える
3.相手の行動を変える
 →何をどうすればいいか具体的な指示を出す
 →どうなってほしいか具体的なゴールを決める

p.74
教えるゴールは3つ:
運動スキル=身体をどのように動かせば上手にできるかを教えることがゴール。
認知スキル=どのように思考するかを教えることがゴール。
態度スキル=相手に「やってみよう!」と態度を決めさせることを教えるのがゴール。

p.110
「頭を使って考える」パターンは3つに分けられる
1.記憶すること
2.問題を解決すること
3.話したり書いたりすること

Scott Berkun『アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法』

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)


プロジェクトマネジメント…もう自分にとっては鬼門だよなあ。全然あいかわらずできてない…と落ち込んでいるわけですよ。どうやったら自律的にできるのだろう。自律的なチームを作りたい、と思っているけど、それが放任になってしまってうまくいかない、ということの多いことよ…。
検死するべき、というのが最後の方に書かれているけど、それがまったくだよね。「どうやって失敗したのか」を考えなきゃだめだよなあ。
以下、メモ。

p.3-4
プロジェクトマネジメントの過去事例によって得られた重要な3つの教訓:

  1. プロジェクトマネジメントとソフトウェア開発は神聖な芸術ではない。
  2. 作業をよりシンプルな視点から見ることで、よりパワフルに、より集中できるようになる。
  3. シンプルは簡単ということではない。

p.12-15
プロジェクトマネジメントにおけるバランス感覚:
エゴ/非エゴ、独裁/委譲、曖昧さの許容/完全性の追求、口頭/文書、複雑さの容認/簡潔さの支持、焦り/忍耐、勇気/恐れ、信者/懐疑論

p.17「
最初のうちはプロジェクトが順調に進んでいたため、上司は私が何をやっているのか気付いていませんでした。しかし、私がチームよりもチェックリストとプロセスに時間を割いていることを知った時、大きな赤旗(警告サイン)を振ったのです。ある日、彼は私の部屋に入り、室内のすべての壁に貼られた、滑稽なほど巨大なチェックリストと表を見た後、私を座らせてドアを閉めました。そして、「スコット君、こういったものも悪くないが、君のプロジェクトってーのは君のチームそのものなんだよ。チェックリストではなくチームをマネジメントするんだ。このチェックリストがチームのマネジメントに役立つのであれば、それは素晴らしいことだ。しかし、君のやり方ではすぐにチェックリストのマネジメントをするために君のチームを使うことになるだろう」と言ったのです。」

p.45-47
スケジュールを機能させるためにすべきこと:

  • マイルストーンの長さはプロジェクトの不安定さに見合ったものとする。
  • ビジョンに対しては楽観的に、スケジュールに対しては懐疑的に。
  • 設計に力を注ぐ。
  • 追加/削除を議論するためのチェックポイントを計画しておく。
  • 計画の哲学をチームに伝えておく。
  • 問題領域におけるチームの経験を見極める。
  • 共同作業に対するチームの自信と経験を測る。
  • リスクへの取り組みは早めに行う。

p.84-87
優れたビジョンに備わる5つの品質:

  • シンプル
  • 意図重視(目標駆動)
  • 統合
  • 閃き
  • 覚えやすい

p.114-116
創造的な問題解決のために行える質問は3種類:

  • 焦点合わせの質問:作業を遂行するうえで重要もしくは有益な、あるいは中核となる何かが欠如していることを相手に気づかせることができる。
  • 創造的な質問:今まで考慮の大将となっていなかったおのの、探求すべき方向を指摘する質問。
  • 修辞的な質問:不誠実な質問に分類されるものであり、文字通りの答えを期待することなく発せられる。子どもをしかるときの、「グレープフルーツを一箱食べちゃうなんて、何考えてるの!?」のように。

p.388
マイクロソフトでは「ウォーチーム」(war team)に、チームでのあらゆる意思決定のコントロール権限を与える。
期限が近づいてきた段階で、チームリーダーからなる少人数のグループが権力を一手に掌握することになる。

p.395
サマリー:

  • 大きな期限は、小さな期限の集合体でしかない。
  • どのようなマイルストーンにも3つの期限がある。設計の完了(仕様書の完成)、機能の完成(実装の終了)、マイルストーンへの到達(品質保証と洗練作業の完了)。
  • 期日に間に合わせることは、飛行機の着陸とよく似ている。どちらも長い、ゆっくりとした着陸進入が必要になる。そして、大掛かりな整備を必要とすることなく、すぐに再び離陸できる準備を整えられるような着陸を行う必要がある。
  • プロジェクトを追跡するためには、どの要素を測定するのかを決定しておく必要がある。一般的な要素としては、日々のビルド、バグ/欠陥のマネジメント、アクティビティチャートがある。
  • プロジェクトレベルの調整を行うため、コントロールにおける要素を洗い出しておく必要がある。一般的な要素としては、レビューミーティング、トリアージ、ウォーチームがある。
  • 終盤の大詰めはゆっくりとした退屈なプロセスとなる。ここでの難問は、リリースを満足のいくものに保ちつつ、変更のスコープを狭める。
  • 今こそ検死プロセスを開始すべき。うまくいったことと、うまくいかなかったことから教訓を得て、あなたとチームの糧にする。