野村恭彦『フューチャーセンターをつくろう』
フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み
- 作者: 野村恭彦
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/04/24
- メディア: 単行本
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フューチャーセンターに興味があったので、この機会に読んでみた。対話から実践が生まれる場所を作るためのさまざまな実践がある感じがして、オフィスや教室の環境作りのヒントにもなりそうな。
p.57-58
野中郁次郎 「賢慮型リーダーシップの6つの能力」:
- 卓越した「善い」目的をつくる能力
- 他者と文脈/コンテクストを共有して場を醸成する能力
- 個別の本質を洞察する能力
- 個別具体と普遍を往還/相互変換する能力
- その都度の状況のなかで、矛盾を止揚しつつ実現する能力
- 賢慮を育成する能力
↓
この6つの能力が、フューチャーセンターを立ち上げ、成功に導くために必要。
=フューチャーセンター・ディレクターが持つべき能力
p.60-61
フューチャーセンターの6つの原則:
- フューチャーセンターでは、想いを持った人にとっての大切な問いから、すべてが始まる
- フューチャーセンターでは、新たな可能性を描くために、多様な人たちの知恵が一つの場に集まる
- フューチャーセンターでは、集まった人たちの関係性を大切にすることで、効果的に自発性を引き出す
- フューチャーセンターでは、そこでの共通経験やアクティブな学習により、新たなよりよい実践が創発される
- フューチャーセンターでは、あらゆるものをプロトタイピング(試作)する
- フューチャーセンターでは、質の高い対話が、これからの方向性やステップ、効果的なアクションを明らかにする
p.78-79
フューチャーセンターの方法論:
- 対話の方法論
相互理解・信頼の関係性を構築する、異質から気づきを得る、内省や思考を深める
例:ワールドカフェ、OST、AI、フィッシュボウルなど
- 未来志向の方法論
複数の未来シナリオを想定する、未来からバックキャストする
例:未来スキャニング、シナリオプランニング、フューチャーサーチなど
- デザイン思考の方法論
体験から学ぶ、作りながら学ぶ、形にしてみることで改善し続ける
例:ユーザー観察、ブレインストーミング、経験プロトタイピングなど
p.90
フューチャーセンター・セッションのファシリテーターに不可欠な7つの仕掛け
- 「ケア」するメール
- あこがれベンチマーキング
- アガペー(神の愛)モード
- 鍋奉行ホワイトボード
- 付箋ワークセッション
- 内職プレゼンテーション
- あとづけバイオグラフィー
p.134-135
コミュニティ中心経済の10原則
- これからの社会は、「コミュニティの生成力」が成功指標になる
- これからの社会変化は、「相互につながったコミュニティ」によって伝播する
- これからの企業は、「市場から」ではなく「コミュニティから」発想して価値をつくる
- これからのイノベーションは、「新たなコミュニティの単位」の発見、可視化、活性化を実現することになる
- これからのワーカーは、「組織から」ではなく「個のつながり(コミュニティ)」で仕事をつくる
- これからの仕事環境は、「組織に囲われた場所」ではなく、「コミュニテイに開かれた場所」になる
- これからの人材育成は、「多様な人と人のつながり」により、「いつもの領域超え(冒険)」の機会をつくる
- これからの組織は、役割ではなく「人」として存在できる「安心な場(コミュニティ)」になる
- これからの地域コミュニティは、世代や地域を超えてつながるための「主体性を引き出す劇場」を持つ
- これからの経済は、「コミュニテイを中心に動く」ようになる