三谷宏治『お手伝い至上主義でいこう!』
お手伝い至上主義でいこう! ― 子どもの就職力を高める「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」習慣
- 作者: 三谷宏治
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2011/03/11
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
副題は「子どもの就職力を高める「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」習慣」。いやー、自分の子育ての中でやってみたいことのヒント、たくさんありました。三谷さん、どうもありがとうございます!とってもおもしろく読めました。子育てのDon'ts(やってはいけないこと)が紹介されているのですが(p.53)、こりゃ難しいよ。忍耐がいるよ。We need to be patient. 難しいなあ。普段は大丈夫。でも、感情的になっちゃうこともあって…。
- 指示を与えすぎない
- 予定を与えすぎない
- モノを与えすぎない
- カネを与えすぎない
- 答えを与えすぎない
- 勉強を与えすぎない
- 夢を与えすぎない
でも、素敵なお父さんだな、と思いました。憧れる子育ての形。そういえば、実家で育ててもらっていた頃、小学校低学年くらいからお皿洗いは絶対の掟としてやっていたなあ。朝食は学校があるから免除だったけど、夕食は絶対。弁当箱も自分で洗って。たまに洗い忘れると翌日の弁当箱がなくて大変、みたいな。でも、この習慣は今になってけっこう役立っていると思う。
あと、カネを与えすぎない、というところの、「毎月決まった額」をあげることで、計画性を育てるっていうのも大事よね。自分自身ができてないわ…(苦笑)反面教師にならないようにせねば!
お金がらみで言えば、当時小5だった次女に、「予算10万円を与える。10月23日・24日、1泊2日の家族旅行を企画せよ」と指令を出した、というエピソードも紹介されています。これもすごいなあ。小5に10万円は、重い。とっても重い。しかも、現金も自分で管理させて、自分で払わせる。おおお、これすごい。
以下、メモ。
p.50-51
99年にスタンフォード大学のクランボルツ博士が、キャリアについての調査を実施:
・一般社会人で「18歳のときに考えていた職業に就いている人」は、全体の約2%のみ
・成功したビジネスパーソンの8割は、「その成功は予期せぬ偶然の結果だ」と考えている
↓
「強い夢を持ってそれをあくまで追求し続けるよりも、さまざまな偶然を、うまく捉えて活かしていく姿勢の方が、キャリア上の成功につながる!ということで、社会に大きな衝撃を与えました。
夢は、持つにしても柔軟に、というのがクランボルツ博士の結論です。
夢より自分の今の力を高めて、いろいろな「偶然(良いお誘い)」が寄ってくるようにして、それを逃さず捉えることを頑張ろう、と。」
p.53
子育てのDon'ts(やってはいけないこと)
- 指示を与えすぎない
- 予定を与えすぎない
- モノを与えすぎない
- カネを与えすぎない
- 答えを与えすぎない
- 勉強を与えすぎない
- 夢を与えすぎない
p.107「
小学生のうち半分の子どもたちは、「月いくら」などではなく「必要に応じて」お小遣いをもらっています。かつ、月決めの子どもでも、その半分は「ほしいものがあるとき」に臨時のお小遣いをもらっています。
これでは「計画性」が育ちません。
」
p.150-151
「ヒマ・ビンボー・オテツダイ」を習慣にする:
「お手伝い」
・段取り力や意思決定力が養われる。また、お手伝いをしっかりすることで、道徳心や正義感が育まれる。
・家業手伝いがベストだが、火事中心でOK。「お手伝い至上主義」で、何よりも優先させる。コツは早めに始めることと、楽しさの演出。
「貧乏」
・足りないことが何より意欲を生む。工夫や計画性、トレードオフや交渉力に加え、他人との関わりやコミュニケーション力の向上も。
・定額で定期的にお小遣いを渡す。お小遣いに何が含まれるのか明確にしておく。
「ヒマ」
・ヒマこそが自律と発想を生む。
・テレビ、ゲーム、ケータイなど受動的な活動に食い尽くさせない。
・習い事はひとつに絞る。そのことが、トレードオフを考え、意思決定力と責任感を養う。
p.191-198
当時小5だった次女に、指令を出した。
「予算10万円を与える。10月23日・24日、1泊2日の家族旅行を企画せよ」
→小5に10万円は、重い。とっても重い。考えるべきことはたくさんあります。
↓
限られた予算ないで、何をし、何をしないのか、トレードオフを考えることになる。
そこには中心とする「価値」が必要。
次女は、「みんなでワイワイ」を中心に置いて考えた。
↓
10万円はキャッシュで持たせて、すべてのところでお金を払わせる。
↓
決定力をつけるには、取捨選択(トレードオフ)ができるようになること。
p.236-237
子どもの自立のために、親が自立する。
・与えすぎない=指示、予定、モノ、カネ、安全、答え、勉強、夢
・与えるべきもの=ヒマと貧乏とお手伝い
・トレーニング=放牧型イベント(誕生日、旅行、進路、住まい探し)
→妥協せず、任せてチェックする。チェックに手加減はしない。
・4原則=クール、ルール、ロール、エールの原則
p.237
親の目的は、子どもの「勝利」ではなく、「自律的な全力プレー」であり、「基礎能力の向上」
p.249
プレジデント社の中嶋愛さんが、
「ある日、「あの聞くも涙、語るも涙の三谷家の娘さんたちの物語を、本にしませんか」と声を掛けてくれました。」
p.251
三谷さんの戦略コンサル生活と子育ての結論は:
「ヒトは変わり得る」、でも「継続してスキルや習慣にすること」と早いうちの方がよい」、でした。