黒田龍之助『外国語の水曜日 学習法としての言語学入門』
外国語を勉強する*1カリキュラムを作ったりすることもあるので、その参考にと思って読んだ。著者はロシア語の先生です。で、さらに他の外国語とかもどんどん勉強しちゃいたい感じの語学ジャンキー。語学って、1つできれば以下、メモ。
- 作者: 黒田龍之助
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
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p.96
楽しい(イタリア語)教材
・いろいろな看板の写真が掲載されている
絵や記号からだいたい分かるものもあるが、いくつかはなんだか見当もつかない。
街のどこでも見かける看板で、実用的
こういうふうに学べるといいかも。形や記号などから連想したり、推理したりする楽しさがある。
p.101
なりきりでの会話練習は有効:
「
ことばを学習するとき、初期段階の会話練習ではどうしても個人情報を引き出すような質問が出てくる。
「兄弟は何人いますか?」
「お父さんの職業はなんですか?」
「あなたは結婚していますか?」
これをプライバシーの侵害ととらえれば、外国語の授業は成り立たない。だったらフィクションを導入すればいいのである。自分が創り出した人物になりきることで、会話は自由に進めることができる。その場限りでもいいが、これを続けていくとなかなか楽しい。
」
p.161
「
現在この地球上には言語がいくつ存在するのだろうか?フランス・アカデミーの計算によれば少なくとも2796の言語が話されているとおことだ(ベルリッツ・チャールズ『ベルリッツの世界言葉百科』新潮選書、1983、p.7)
」
p.167
言語使用人口ベスト10(ベルリッツ・チャールズ『ベルリッツの世界言葉百科』新潮選書、1983、p.10)
1.中国語
2.英語
3.ヒンディー語+ウルドゥー語
4.ロシア語
5.スペイン語
6.日本語
7.ドイツ語
8.インドネシア語
9.ポルトガル語
10.フランス語
p.231
ピジンとクレオール
「
ピジンとは土着の言語と新たに入ってきた言語との混成語だが、その体系にはある規則性が備わっており、一定の社会において共通に用いられている。多くの場合は商売のために必要なコミュニケーションの補助手段として成立したものと考えられる。この「ピジン」という名は、もともと広東語と英語が混ざり合ってできた商業語を"business English"と読んでいたのが、"pidgin"というように変わったのだろうと想像されている。(略)
この「ピジン」を使い続けていると、この言語を生まれながら母語として使う世代が現れてくる。このような状態になったとき、この混成語は「クレオール」という。
(略)面白いのは、この「クレオール」が基になって発達した言語と考えられるものに、なんとフランス語があることだ。フランス語は5世紀のガリア地方の言語とラテン語系の言語とが混成して成立したという説がある。
」
p.277
筒井康隆『残像に口紅を』中公文庫、1995
音が1つずつ消えていく小説。だんだんに音が消えていく中で小説を書く。どんだけすごいねん!だんだん音が消えていくから、話が展開していけばいくほど、制限が多くなっていく。
*1:ま、主には英語ですけどね。