鈴木敏文『商売の原点』

鈴木敏文 商売の原点 (講談社+α文庫)

鈴木敏文 商売の原点 (講談社+α文庫)


日本の実業界をぐいぐいと引っ張ってきた人の言葉だから、重みもある。ああ、そうだなあと思うこと多数。このままじゃいかん。ふつふつと危機感がわいてくる(苦笑)以下、メモ。

p.174

表面をとりつくろい、かたちだけのことをやって逃げを打つ姿勢、決められた時間だけをつとめていればいいという考え方、結果が出ないのを他人のせいにする態度…。問われているのは、自分が熱意をもって取り組んでいるときだけです。
熱意をもっている人は、自分にわからないことがあっても、人の協力を得ながらこれをかいけつしようとするはずです。能力があるかないかの問題ではなく、そういう熱意があるかどうかです。


p.176

数字が上がらないとなげくのであれば、なぜもっと踏み込んで数字を上げるような努力をしないのでしょうか。
(略)
コンサルティングというのは、相手に納得してもらってその行動が変わったときに初めて仕事をしたことになります。話をしたけれども、相手には通じなかったということでは、仕事をしたことにはなりません。


p.188

私に言わせれば、上役で「いい人」というのは、仕事ができない上司という意味でしかありません。
仕事ができる人は必ずしっかりした自分の形をもっていて、それを具体的に提示できるし、それに関しては絶対に妥協を許さない厳格さをもっています。したがって、すぐれた上長というのは、「うるさい人」でなければならないのです。
長たる者に、小さいことに目をつぶってもらわれたら、部下にはよくても、会社としては困るのです。