宮元健次『月と日本建築 桂離宮から月を観る』

月と日本建築 (光文社新書)

月と日本建築 (光文社新書)


月にやたら惹かれます。好きなんですよ、あの冷たい光が(笑)桂離宮には行ったことがないので、一度行きたいな。月を見るために作られた桂離宮で、月を見たい。
それから、日本に古来から伝わる月の見方とか、表現とかについても書かれているので、勉強になりました。以下、メモ。

p.73

日本において古来、「月待ち」という風習を行なうのが常であった。すなわち特定の日に集団で飲食を楽しみながら月の出を待って拝むのである。十七夜の月の出は早いので立って待つため「立待」と呼ばれ、十八夜の月の出はやや遅れるので座って待つから「居待(いまち)」、十九夜はさらに遅いから伏して待つので「伏待(ふしまち)」、二十日の月は寝て待つから「寝待ち」と呼ばれた。


p.78

天皇の祖先を祀る伊勢神宮の祭神は太陽神・天照大神であるが、伊勢神宮にはまた、天照大神の弟神・月読命が祀られている。すなわち内宮の月読宮と外宮の月夜見宮(つきよみのみや)であり、「月夜見」の名から、観月が神道と結びついていたことをうかがわせる。
現に、観月建築・桂離宮の建つ京都・桂地方は、古来月の名所として知られるが、この地に月読神社が建てられているのも、観月と神道が結びついていたことを示している。