吉田新一郎『いい学校の選び方 子どものニーズにどう応えるか』
いい学校の選び方―子どものニーズにどう応えるか (中公新書)
- 作者: 吉田新一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/08
- メディア: 新書
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いい学校の選び方。僕にはまだ子どもがいるわけではないですから、「自分が選ぶ」ためではなく、「自分が選ばれる」ために、どうしたらいいのかのヒントがほしくて読んだ。嫌ねー、即物的で(笑)
教育学を基礎から学んだことなどない僕には、とてもいい勉強になりました。
以下、メモ。
p.30-35(抜粋)
「いい学校」(英語ではEffective School)の特徴
・生徒たちが主人公。生徒ができることは、教師は行わない。
・学ぶことを最優先にしている。学校が「学び続ける組織/コミュニティ」として位置づけられている。教師たちも自発的かつ喜びをもって学んでいる。
・学ぶことが楽しい。努力すればできることを投げかけられ、できることによって自信がつく。
・カリキュラムは教科書をカバーするものとして位置づけられているのではなく、教師を中心に生徒も関わりながら自分たちが作り出すものとして捉えられている。
・教師がすべての生徒に高い期待を持っている。チャンスも1回だけでなく、何回か提供される。
・学校とは何をするところか、学校の教育目標は何かについて、学校に関わる人たちの間で共通理解が得られている。
p.39-40
マルチ能力
言語能力(ことばが得意)
論理的-数学的能力(数字が得意)
空間能力(絵が得意)
身体-運動能力(からだを使うのが得意)
音感能力(音楽が得意)
人間関係形成能力(人と接するのが得意)
自己観察・管理能力(自分のことが得意)
自然との共生能力(自然が得意)
p.53-54
■
【1】思考の6段階
(ベンジャミン・ブルーム「教育のねらいの分類」1956)
1)知識を覚えること-事実、言葉、方法などを記憶する能力
2)理解すること-内容を解釈したり、言い換えたり、説明したり、推し量ったりする能力
3)応用すること-知識を一つの状況から別の状況に移し替える能力
4)分析すること-全体の中から部分を見つけたり、区分けしたりする能力
5)統合すること-部分を組み合わせて統合された部分をつくり出す能力
6)評価すること-ある基準を使って情報の価値や使い道を判断する能力
p.55-58
【2】創造力
・たくさんのアイディアを出す
・柔軟性(多様な視点で物事が見られる)
・独創性(新しさ、がんこさ、反骨精神)
・入念さ(完璧志向)
・遊び心(より楽しく)
・好奇心(詮索好き)
・問題設定(いい質問ができる)
・失敗を恐れない(なにくそと思う、可能性を信じる)
・想像性(他人の立場や別なところに自分を置ける)
・瞑想/リラックス/無の境地/自由
・本を読む(情報収集)
・刺激しあう(人と話す/相談する)
Adventures in Thinking, Joan Dalton, pp.30-31を参考
p.59
【3】批判的思考力
・問題やテーマをはっきりさせる/問題の核心からずれない
・前提を吟味する/建設的に疑ってみる
・今あるものに代わるものを想像したり、見つけ出せる
・理由付けをする/理由や証拠があれば、主張を変更できる
・たくさんの情報を集める/信頼できる情報源を探す
・全体像を把握する/計画を立てて、全体にアプローチできる
・オープンマインド(多面的に物事を見られる)
・正確さや几帳面さがある
・他の人の知識や感情に敏感に対応できる
Dimensions of Thinking, Robert Marzano, p.23を参考
p.75
学校の教育目標が適切かを判断する要素
1)明確か
2)測れるか
3)実現可能か
4)結果志向か
5)スケジュールを立ててあるか
→目標設定の原則