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和田秀樹『エリートの創造』


責任を持って、何かを決める。何かを犠牲にしたりするリスクをとらなきゃいけないけど、でも何かを決める。決める人はその分、経験や知識を持っていなければいけないと思う。でもそういうエリートを育てなきゃいけないんだと思う。「政治家になりたい」というクラスメイトを「ひゅ〜♪」と冷やかすのではなく、「そりゃすげえな」と言えちゃうような文化が必要だと思う。(松下政経塾って、もしかしてそんな雰囲気なんだろうか?)
灘校を出た和田秀樹さんは、灘校の文化を述べて言っているんだけど、こういう文化を持っている学校って貴重だと思うのだよね。

日本という国には、勉強のできる人間に対して、敬意を払うというより、どちらかというと性格のおかしな奴とみる雰囲気がどことなくある。できる人間のほうも、自分はエリートなのだという自負より、周囲から特別に敬意を払われていないのだから実利に走る部分があることは否めない。周囲がエリートとみなして敬意を払っていると、こちらも悪いことはできないという感覚が出てくるからだ。
実は、私が灘中学の生徒だったときは、そんな感覚があった。
(略)
アメリカ留学経験で感じたことだが、向こうの名門大学の卒業生は、自分たちの出身校に誇りをもっているし、むしろ堂々と名乗る。それに対して、聞く側も敬意を払う。それが逆に高学歴者の自負心を強めるという好循環が成立しているのだ。(p.58)

イギリスのブレア元・首相が、若い頃から政党の秘蔵っ子として育てられたように、みんなでエリートを育てる、社会に責任感を持つ次世代を幅広く、たくさん育てるってことは、非常に大事なことだと思う。
以下、メモ。

p.8「
ゆとり教育のカリキュラムを答申した当時の教育課程審議会会長の三浦朱門氏は、ジャーナリスト斉藤貴男氏とのインタビューでこう答えている。
「戦後五十年、落ちこぼれの底辺を上げることばかりに注いできた労力を、できる者をかぎりなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張って生きます。(中略)国際比較をすれば、アメリカやヨーロッパの点数は低いけれど、すごいリーダーも出てくる。日本もそういう先進国型になっていかなければいけません。それが“ゆとり教育”の本当の目的。エリート教育と言いにくい時代だから、回りくどく言っただけの話だ。(中略)メンバーの意見もみんな同じでした」(斉藤貴男『機会不平等』40-41頁)

p.54
・エリート:
 フランス語で「選抜された」の意味。競争的教育を通じて階層のはしごを上昇した結果、「社会や組織の指導的地位にある階層」に立った人間。
エスタブリッシュメント
 「基礎が確立されたもの」という意味の英語から着ている。家庭がもともと高い階層で、現在も高い階層にいる人を指す。

p.58「
日本という国には、勉強のできる人間に対して、敬意を払うというより、どちらかというと性格のおかしな奴とみる雰囲気がどことなくある。できる人間のほうも、自分はエリートなのだという自負より、周囲から特別に敬意を払われていないのだから実利に走る部分があることは否めない。周囲がエリートとみなして敬意を払っていると、こちらも悪いことはできないという感覚が出てくるからだ。
実は、私が灘中学の生徒だったときは、そんな感覚があった。
(略)
アメリカ留学経験で感じたことだが、向こうの名門大学の卒業生は、自分たちの出身校に誇りをもっているし、むしろ堂々と名乗る。それに対して、聞く側も敬意を払う。それが逆に高学歴者の自負心を強めるという好循環が成立しているのだ。

p.114
卓越した教育に関する全米委員会:
1981年にレーガン大統領が設置。18ヶ月以内に全米における教育の質を調査するよう命じられたもの。
→「教育の卓越性に関する全米委員会」から 1983年 4月の『危機に立つ国家』)につながるみたい。

p.155「
高校までの教育以上に大学での厳しい競争、そして社会に出てからの厳しい競争の有無こそが、日本のエリートと欧米のエリートの最大の違いといえるだろう。実際は、韓国や中国のエリートたちも、責任者になってからの競争はかなり激しいらしく、今や韓国では働きながら大学院に行くのがトレンドになっているという。
(略)
渡部昇一先生も指摘するように、エリートに横入りができるシステムを導入することと、エリート教育を受けた人にもきちんと競争させることが、本当の意味でのエリート、つまり競争を勝ち抜いて社会や組織の指導者になる人間を育てることになる、のだろう。

p.218-219
EQの五大要素(ピーター・サロヴェイ&ジョン・メイヤー
1.自分の感情を正確に知る
2.自分の感情をコントロールできる
3.楽観的にものごとを考える(もしくは、自己を動機づける)
4.相手の感情を知る
5.社交能力

p.222
ダニエル・ゴールマンによる、リーダーシップ定義:
1.部下に共通の夢を抱かせるビジョン型リーダーシップ
2.個々人の希望を組織の目標に結びつけるコーチ型リーダーシップ
3.共感能力に優れ、部下を思いやり、スタッフの輪を作るのに長けている関係重視型リーダーシップ
4.部下の意見を汲み上げるのがうまく、多くの人に参加を促す形でチームをまとめていく民主型リーダーシップ
5.高い目標を提示して、それに向かって部下を引っ張っていくペースセッター型リーダーシップ
6.明確な方向性を指し示し、無理にでもそれに従わせる強制型リーダーシップ