ユーリア・エンゲストローム『拡張による学習 活動理論からのアプローチ』

拡張による学習―活動理論からのアプローチ

拡張による学習―活動理論からのアプローチ

  • 作者: ユーリアエンゲストローム,Yrj¨o Engestr¨om,百合草禎二,庄井良信,松下佳代,保坂裕子,手取義宏,高橋登,山住勝広
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 1999/08/05
  • メディア: 単行本
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いい仕事が来れば来るほど、身にしみる自分の専門教育の欠如。教育学部の出身でないからなあ…ちょっとしか知らないのですよ。ということで、図書館に行って教育系の書棚の前で、おもしろそうなものがあれば借りて来るようにしています。今回は、「拡張による学習」という単語に惹かれて借りてみましたが、超専門的で半ば降伏(笑)ヴィゴツキーから始まり、ヘーゲルマルクスなども含めて、進んでいく議論は、ロシア系の学問の流れ、なのかな?
他に、おもしろそうなキーワードだけ。このキーワードを手繰って、また次の文献へ行こう。ジェローム・ブルーナー、マイケル・コール、シルビア・スクリブナー、ジェームス・ワーチ、ジーン・レイヴ、文化心理学、文化-歴史的心理学派の流れとか、勉強しておきたい。
あ、あとメタ認知についてもちょっと触れられていたな。どう役立つかわからないが、以下メモ。

p.21
産業資本主義による生産力や地球規模の交易の大規模な発展
→19世紀の哲学、生物学、社会科学の根本的な概念的・方法論的躍進

有機体と環境、人間と社会は、
(1)遡及的な因果関係をもち、たえず内的に動的に移行している統合的システムとみなされている。
(2)静的で不変の存在ではなく、質的に転換していくものであり、歴史的なパースペクティブを必要とする。

p.114「
労働における学習は、学校における学習よりも軽視されることが多い。労働における学習は、一般に制約されており、お決まりのルーティンに固定されて機能不全に陥っていると考えられることさえある。産業化、機械化、テーラーシステム化が、伝統的な手工業労働者たちの職人技を一掃するのに伴って、このような考えかたは、ますます勢いを増した。


p.144-145「
ラヴェル(Flavell)によれ、メタ認知は「自己自身の認知過程やその所産あるいはそれに関連しているもの(たとえば情報やデータの学習関連特性)に関する自己自身の知識をさしている」。ブラウンとデロシェ(Brown & DeLoache)は、基本的なメタ認知的技能のリストをあげている。このリストには、行為あるいは出来事の帰結を予測すること、自分の行為の結果をチェックすること、刻々に進行している自分の活動をモニターすること、現実に照らしながら検証することなど、計画的な学習や問題解決を調整し、統制するための多種多様な行動が含まれている。

ジェローム・ブルーナ
マイケル・コール
シルビア・スクリブナー
ジェームス・ワーチ
ジーン・レイヴ
文化心理学

ヴィゴツキーレオンチェフ、ルリヤなどロシアの文化-歴史的心理学派の流れとか、勉強しておきたい。