モーゲン・ウィッツェル『MBA式勉強法 ビジネススクールの授業の徹底解剖』

MBA式勉強法

MBA式勉強法


MBAでの授業がどういうものかを研究して、取り入れられるものならばカリキュラムの中で一部再現できないかな、と思って読んだ。が、どちらかというと、授業の手法というよりは、留学前の事前準備(特にメンタル的な)を中心としている感じでした。
好んで使っているケーススタディの方法についての短所などがまとまっていたり、教育においては「消費者(=学習者)もプロセスの一部である、ということが言われているのに納得したり。それと、カリキュラムを作るうえで重要な点として、「コース」の定義がされていたのもよかった。自分なりにメモ。

コースの定義(p.55):

  • 設計者が意図した目的とテーマがきちんとある。
  • 導入部分からスタートし、それから次第にそのテーマを明らかにしていき、最後に結論に導く。
  • コースですべての知識を与えることはできない、と設計者が認識している。
  • テーマの形と本質を浮かび上がらせ、より突っ込んだ知識へ進むための基盤を与える。


コースが果たす役割は3つ

  • そのテーマに関する基礎的な知識を与える。
  • 学生が考えたこともないような問題を投げかけ答えを模索させることで、考え方を広げる。
  • より詳しい知識へ進むための骨組みを与える。その知識は、さらなる勉強(学校でするものでも、自分なりのものでも)や個人的体験を通して得るものでもあり、コースの間だけでなく後々学ぶことのできるものでもある。

その他、ライティング(writing)のルールなどもいいね。以下、詳細メモ。

p.20
サービス業では、「消費者は生産プロセスの一部である」
=学ぶということは、教室にただ座って知識が講師から学生へと移動するのを眺めている、という受動的なプロセスではない。講師、スタッフ、同級生といった人々とのやり取りを通して学ぶ。学ぼうとする意欲、学ぶためのスキル(話を聞く力、分析力、コミュニケーション能力など)、そして個人的な目標や学習の必要性といったものはすべて、我々が何を学ぶか、そしてそれをどう学ぶかに影響してくる。


p.24-28
ベネフィット最大化
=MBAプログラムにおいて、自己開発とキャリア・アップの両方の意味において最大限の可能性を手に入れること

どんなリソースが手に入るか?:
・データと情報の貯蔵庫
・ビジネススクールの教授陣
・他の学生
・自分自身


p.49-50
オープン・マインド(偏見のない心)

  • ベネフィット最大化のプロセスに不可欠なもの
  • 新しい考えを可能な限り受け入れる姿勢。どんな考えも、他の意見と対立しそうだというだけで排除されるべきではない。
  • 多くの異なった情報源から情報や意見を選り分け、組み合わせ、与えられた状況をできるだけ完全に、できるだけ正確に浮かび上がらせる。


どのようにして「心をオープンにする」のか?

  • 「心を調節する」感じが近い
  • 先入観を取り除くだけでなく、分析能力を向上させ、リスクや安全性と行った問題を新しい見地から検討する
  • 幅広いテーマや問題に、それが自分の立場にかかわらず関心を持つ、という知的プロセスに磨きをかける


p.51
トーマス・リード「人生における問題の大半は、常識を適切な形で当てはめることで解決できるものだ」


p.53
シーザー・パヴェス「教訓は与えられるのではない。学び取るのだ。」


p.55
コースの定義:

  • 設計者が意図した目的とテーマがきちんとある。
  • 導入部分からスタートし、それから次第にそのテーマを明らかにしていき、最後に結論に導く。
  • コースですべての知識を与えることはできない、と設計者が認識している。
  • テーマの形と本質を浮かび上がらせ、より突っ込んだ知識へ進むための基盤を与える。


コースが果たす役割は3つ

  • そのテーマに関する基礎的な知識を与える。
  • 学生が考えたこともないような問題を投げかけ答えを模索させることで、考え方を広げる。
  • より詳しい知識へ進むための骨組みを与える。その知識は、さらなる勉強(学校でするものでも、自分なりのものでも)や個人的体験を通して得るものでもあり、コースの間だけでなく後々学ぶことのできるものでもある。


p.67
MBAのコースで学ぶことによって達成できる2つの目的

  1. 教えられるテーマに関するより広い、より良質な知識を得ること
  2. 分析的だが探究心あふれる正確を育てること


p.76
「解く(solving)」と「解決する(resolving)」

  • 「解く」にはパズルのように「正しい」答えを見つけられる物だという意味が含まれている
  • 多角的アプローチや数多くの思考を促す場合には、「解決する」の方が適している化と思う↓

目的は「正しい」答えを見つけることではなく、「うまくいく」、成功する見込みのある答えを見つけること。


p.77
ケース・スタディのよく言われる短所

  1. 発展性に乏しい。ケースは解決を要する1つないし1組の問題視か提示しない。学生が解決案に達しても、それが実際にうまくいくかどうか知る術がない。
  2. ケースは過去の出来事を扱ったもの。今日的な意義が薄れてしまう。
  3. ほぼすべてのケースが大成功を収めた企業を扱っていること。失敗例を取り上げるケースはほとんどない。

p.113
ライティング(writing)のルール:
以下の項目に照らし合わせて、文章を見直すこと。

  • 筆者の目的をはっきり、完全に表現しているか?
  • 意図するオーディエンスにとってわかりやすく、歓迎されるものか?
  • 意図するメッセージを、そのオーディエンスに十分に伝えるものか?
  • 期待する反応をそのオーディエンスから引き出すものか?=AAMR(目的:aims、オーディエンス:audience、メッセージ:message、反応:response)

p.205
フランシス・ベーコン「旅は若者にとっては教育の一部であり、年輩者にとっては経験の一部である。言葉を知らずに外国を旅行するものは、旅をするというよりは、むしろ学び舎に学ぶのである。」