リービ英雄『最後の国境への旅
- 作者: リービ英雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2000/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
リービ英雄が日本、中国、ドイツ…と旅をする。日本に定住して、万葉集を訳したりもしていて、越境者の一人として興味がある人。
以下、メモ。
p.161-162「
ある勢力が「日本人」をまるごと地上から消そうと、「日本人」の血を1/32以上にもっている人間を世界の隅々まで動物のように狩り、日本人の女をランプのかさにして、日本人の子供を石鹸にして、ついに「日本人」の3人に1人、つまり4000万人を殺した--そんなふうに想像してはじめて日本人は「ナチズム」の意味を理解することができるのかもしれない。
」
p.167「
多和田葉子さんの話:
「私がここに来ておどろいたのは、手紙を書くときに、たとえば町の名前を書いて国の名前を書きますよね。で、町の名前の下にアンダーラインを引くんです。だからハンブルクにアンダーラインを引く。町の名前が重要で、ドイツというのは、あまり重要じゃない。(略)つまり、ヨーロッパでは、一つの町がどこの国に属してるかということは、ある意味で偶然の結果そうなっただけの話で、国家の所属は次々と歴史的に変わりうるんだから」
」