戸井十月『遥かなるゲバラの大地』

遥かなるゲバラの大地

遥かなるゲバラの大地


ブラジルへの出張が決まったら、俄然興味が湧いてきた、南米大陸。初めて上陸だからなー。で、紀行物を読もうと図書館の棚を眺めていて見つけた、ゲバラ+南米紀行。著者の戸井十月さん、初めて読みましたが、本当におもしろかった。バイクで五大陸をめぐってらっしゃる方。旅先での人とのやりとりがリアルで、一期一会な感じとかもとってもいいね。

p.11「
1987年から88年にかけて南米大陸を縦断し、91年には一周もした。バイクで道行く旅以外にも、取材などで南米は数度旅している。だから、そこがとても人間臭い土地であることは知っている。ラティーノ、ラティーナの具体的な顔がいくつも、すぐに浮かぶのだ。人の表情を思い浮かべることのできる土地への旅には、不安も心配も少ない。怖いのは、そこに生きる人間の顔つきや感情を想像することができないような土地への旅だ。結局、旅は出会う人次第なのである。


p.81「
「グアイ」とは先住民の言葉で「水」を意味する。ウルグアイもパラグアイも、先住民インディオの言葉を国名にしている。


p.246「
世界には、名も知れぬ本物の旅人が沢山いること。道端の、名も知れぬ人々の暮らしのディテールの中にこそ真実があること。体を張っていない者のアジテーションや解説を鵜呑みにしてはいけないこと…。そして何より、得意になってひけらかしたりしていると、自分が大恥をかくということ。