ゲーリーE.クレイトン『アメリカの高校生が学ぶ経済学』
- 作者: ゲーリーE.クレイトン,大和総研教育事業部,大和証券商品企画部
- 出版社/メーカー: WAVE出版
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 単行本
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アメリカの高校生、こんなに細かいことまでやるのか、とびっくり。字面だけで需給曲線とかが出てきたり、家計って何?みたいな説明を受けている日本の政経の授業とは全然違う。経済学が無限な欲望を有限の資源で解決するため、希少性に取り組む学問だということ。市場の欠陥、公共財の概念など、これだけ勉強する。持って行き方だとは思うけども、日本の学校でも上手に取り入れられないかな、と思う。
経済学はこんなにしっかり教えているのに、国際政治とかはどうやって教えているのだろう?と思う。「日本って中国のどこ?」とか言われちゃう理由は何なのだろうね。内政干渉みたいなことを平気でしたり、ああいうことは教えていないのか?「アメリカの高校生が学ぶ国際政治学」とか読みたい。
以下、メモ。
p.12
「ただで手に入るものなどない」
- 無料ランチを提供するのは売上を上げるため。
- ランチを食べた人が何かを購入すれば、そこから費用が回収されるだろう。
- ランチを食べた人が何も購入しなければ、他の誰かが高い料金を支払うことで、無料ランチの費用は回収される。
- 誰かが無料ランチの代金を支払っている。
↓
この世に無料のものなどまずないと思ってよい。
なぜなら、誰かが生産物に対する対価を支払わなければならないからだ。
p.13
無限の欲求+有限の資源
↓
希少性
↓
選択
↓
何を生産するか / どのように生産するか / 誰のために生産するか
=答えはそれぞれの社会によって異なったものとなる
p.16
経済学(economics)は、比較的希少な資源を注意深く用いて、一見限りがない、競合する欲求を満たそうとする人間の営みを研究する。
p.19
選択のトレード・オフ
「
人は欲しいものすべてを手にすることはできないので、選択肢の中から1つを選び出すというトレード・オフを迫られることになる。選択を行うのは容易ではない
」
↓
ジェシーのトレード・オフ
- 小遣いとして50ドル持っている
- サッカーボール、ジーンズ、カセットプレイヤー、CD、コンサートチケットという選択肢を思いついた
- これを、「小遣いの範囲内か」「耐久性があるか」「両親が同意してくれるか」「将来の支出が不必要か」「いつでも使えるか」という点で表にして、選択肢を一覧にして評価する。
p.25
価値=金銭で表すことのできるもの。共通の尺度。
効用=有用な満足感を提供する作用。人によって違う。
富=形があり、起床で、有用で、ある人から別の人に移転可能な生産物が蓄積されたもの。サービスは富ではない。
p.123
「
市場経済は人々が購入するものしか、生産しない。例えば、市場で一人ひとりに国防といった公共サービスを購入させるのは難しい。さらに、ある個人にだけ国防の恩恵がないようにすることも難しい。その結果、市場経済では国防というサービスを提供することができない。
」