別冊課外授業ようこそ先輩『川崎和男 ドリームデザイナー』

川崎和男 ドリームデザイナー―課外授業ようこそ先輩・別冊 (別冊課外授業ようこそ先輩)

川崎和男 ドリームデザイナー―課外授業ようこそ先輩・別冊 (別冊課外授業ようこそ先輩)


川崎和男さんは、ずっと気になっていた人だったのですが、その人が「ようこそ先輩」に出ていたことをしり、amazon.co.jpで本をゲット。さっそく読んでみました。明快なメッセージがとても心地いいですね。伝えるべきものを持っている人はやっぱり、かっこいいし、強いよな。子どもたちにもきっと何かが残っていったことでしょう。

以下、読書メモ。

p.41-p.42
「わがまま→思いやり」
持論を崩さないこと。売られた喧嘩はきっちりと受けること。自分のデザインは命がけで守ること。そのために主体的に喧嘩を仕掛ける。これは私の信念である。敵をつくれない人間には真の見方は生まれない。この信念は、世渡りをしていくには損をすることが多い。お利口な生き方ではないことなどもわかっている。

喧嘩というのは、実はディベートです。イエスの意見とノーの意見を戦わせて、どちらかの結論を出すことが喧嘩なんですね。「喧嘩師であれ」ということは、まず「自分に対して喧嘩」を売ってないといけない。丁半の喧嘩相手はまず自分なんですね。だから自分に喧嘩を売って、それで自分に勝つ。自分に勝っていくというためにも「喧嘩師」という言葉を使っています。

p.105
「“わがまま”→だれかのために→思いやり」
自分のわがままな発想が半分だけど、同時に、だれのために作るのかを考える。そのわがままと、だれかのための思いやりを込めた形にする。

p.130
自分が思いを込めて作ったモノは、赤ちゃんのようなものです。それが世の中に出て行くときには、何人もの人の手を通して本当のモノになっていく。
今日作ってきたモノは宝物のように扱い、自分でその宝物を「これがいちばんいいんだ」というふうにこれからアピールしなくてはいけません。
自分のモノと比べてほかの人のほうがいいなって思ったとしても、「これがいちばんいいんだ」っていいきらなくちゃいけない。それがね、デザイナーの仕事なの。プレゼンの段階まできたら、「自分のモノがいちばんいいんだ」っていう自信を持って自分のわがままの良さをみんなに示さなければならない。そこが難しいことだよね。

p.140
今は何でも平均化しちゃうでしょ。でも、本当はそうじゃない。突出した考え方に拍手するってことを日本人は忘れて、なんとなく「みんながんばったね、みんな拍手だね」ってなってしまう。

p.140-p.141
デザインの場合には、発想と表現とがある。発想力、表現力、最後に説得力があって、作品を通して自分を表現していく。自分を表現したモノが相手にちゃんと伝わることが重要です。
ぼくは、プレゼンテーションは戦いだと思っているし、「頭角を現す」という言葉があるように、その中で頭一つ抜きん出る。オリンピックとか一流選手を見てるだけで満足しちゃってないで、デザインで世界に出て行けないと、日本はどんどん負けていく。自分としては30年間デザイナーとして戦ってきてますけれど、たった二日間でどれだけ伝わるかわかりませんが、次の時代のこの子たちにそれが伝わればいちばんいいんじゃないかなって思っています。