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菅谷明子『メディア・リテラシー 世界の現場から』

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メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書)

メディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書)

「イングリッシュ&メディアセンター」という団体が紹介されていました。言語、文学、メディア、テクノロジーなどを教えるにあたって、教師がタイムリーで効果的な題材を使えるように、様々なアイディアを提供しているのだそうです。おお、刺激的。主な活動は教材開発、教員訓練、教師向け雑誌の発行で、代表を務めるジェニー・グラハムは、70年代からメディア教育を取り入れてきた、先進的な学校で教師を務めてきた経験豊かなベテランなのだそうです。

「教師たちは、メディアについては大変よく理解していますが、それを授業でどう教えればよいのか、具体的なところが全くわからないのです。メディア教育というと、ロミオとジュリエットのビデオを見せて終わり、というケースもいまだにあるのです。我々の役割は、教師たちが自信をもって教えられるように、実践的な教授法を提示することです」

おお、これは素晴らしいなあ。さらに、

「教員のニーズに合わなければ意味がないでしょう?教師が一方的に講義するようなものでなく、生徒に考えさせる内容にすることが大事です」

として、制作途中にも教員向けのヒアリングを続けているそう。うちの会社の、僕らのビジネスの、ひとつのロールモデルになるかもしれないな。要チェックです。
以下、メモ。

p.48「
イギリスの教室に根づいているメディア教育だが、その発展を考える上で欠くことのできない団体がある。「公式・非公式の教育を通じて映像に対する理解を深めてもらい、それによって映像のすばらしさを知ってもらうこと」をモットーに活動する英国映画協会(BFI)だ。」

  • 政府からの資金提供が財源の約半分、寄付金と独自収益が残りの半分を占める
  • 活動の中心は、国立映画劇場や映画・テレビ・あーあかい部の運営、映画に関する調査・研究、教育、図書・情報サービス活動や出版事業など
  • 教育部門の教育プロジェクトは、メディア教育に焦点を当てた調査・研究、政策提言などで知られている

p.62-63「
「メディア教育の成功のカギは、しっかりとしたカリキュラムの存在に加えて、優れた教員教育と教材にある。」。メディア教育の実態を、教育現場をベースに徹底的に調査しているサウザンプトン大学のハート教授は自らの経験からこう語っているが、「イングリッシュ&メディアセンター」は、まさにこの指摘のうちのふたつを請け負う団体であると言える。言語、文学、メディア、テクノロジーなどを教えるにあたって、教師がタイムリーで効果的な題材を使えるように、様々なアイディアを提供する。主な活動は教材開発、教員訓練、教師向け雑誌の発行で、代表を務めるジェニー・グラハムは、70年代からメディア教育を取り入れてきた、先進的な学校で教師を務めてきた経験豊かなベテランである。
「教師たちは、メディアについては大変よく理解していますが、それを授業でどう教えればよいのか、具体的なところが全くわからないのです。メディア教育というと、ロミオとジュリエットのビデオを見せて終わり、というケースもいまだにあるのです。我々の役割は、教師たちが自信をもって教えられるように、実践的な教授法を提示することです」
教材は授業のカギになるだけに、開発には多大な時間と労力が注がれている。新聞・TV等ニュースをあらゆる角度から分析する教材「ニュース・パック」を始め、コカコーラやネスカフェから新聞社、政治キャンペーン、教育団体や環境団体グリーンピースのコマーシャルなど、あらゆるタイプの宣伝広告を分析するビデオと学習ガイドからなる「広告パック」も手がけた。商品を売る目的の企業コマーシャルだけでなく、支持獲得や一定の考え方に同意を促すような広告に対しても分析を加えるなど、教材が扱う範囲は幅広い。
他にも、トニ・モリスンら現代を代表する作家にインタビューし、小説の登場人物や場面設定の意図などを聞き出す一方で、本が作られるプロセスや文学賞の意味、出版業界について編集者もインタビューに登場して解説を加え、本というものがいかに作られたものであるかを、ひとつひとつ解きほぐしていくビデオ教材もある。若者向け人気ドラマやメロドラマを、メディア教育の理論的な枠組みを使って読み解くものもあり、教材はどれも創意工夫に満ちている。教材は、イギリスはもとよりオーストラリアやアメリカの学校でも利用され、数々の賞を獲得している。
グラハムは、教材開発のポイントは、メディアができあがるプロセスがわかる内容にすることだと言う。また、制作の途中では、何度も学校に赴き教師たちの反応を聞く。「教員のニーズに合わなければ意味がないでしょう?教師が一方的に講義するようなものでなく、生徒に考えさせる内容にすることが大事です」。」