鈴木謙介『カーニヴァル化する社会』

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)


おもしろかった。「繋がり」って何だろう、ととても考えさせられるなあ。以下、メモ。

p.39
社会学者の久木元真吾によると、フリーターたちが語る「やりたいこと」の特徴
(1)「やりたいこと」ならやめずに続けられる
(2)「やりたいこと」は明確でなくてよい
(3)「やりたいこと」は必ず発見できる

p.124「
大学生などへの聞き取り調査から見えてくるのは、ケータイのアドレス帳があることによって、彼らの友人関係のイメージが確固たる形を与えられるということだ。たとえば、アドレス帳に登録されている限りは、普段はほとんど会うこともなく、また連絡を取り合うこともない「地元の友達」であっても、「友達」として関係が継続している、と多くの大学生が答えている。逆に、彼らはもはや「友達」とは呼べなくなった人を、折を見ては積極的にアドレス帳から削除しているのだ。
彼らの友人関係が、アドレス帳のレベルにまで切り縮められている、という氷菓は、おそらくは当たらないだろう。むしろここで生じているのは、対人関係が、何か事実的な繋がりを持った、体験に根ざしたものとしてではなく、<繋がりうること>へと意味的な転換を生じているということだ。そしてその<繋がりうること>を支えるのが、通信手段と一体化したアドレス帳なのである。」

p.142-143
「自己目的化する感動」→カーニヴァル化の源泉
・政治性から切り離された、「折り鶴オフ」には、感動をあおるサイトやFlashが多く登場
・始まる前から「感動をありがとう」がコピーになっていた2004年のオリンピック