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斎藤哲也 編『使える新書 教養インストール編』

使える新書―教養インストール編

使える新書―教養インストール編


ひっじょ〜におもしろかった本。新書は高校3年生のときに小論文対策で読み始めてからずーっと読み続けている。とりあえず問題の大雑把な構造を知りたいときなんかに非常に重宝。ということで、そうしたのがまとまっている本を読んで、次に読みたい本をリストアップしておこうかな、くらいの軽い気持ちで読んだのですが、予想以上に刺激的な本が多くて。気になった点や書名などまとめて以下に。

p.26(斎藤哲也
宮台真司絶望から出発しよう』より、「表出」と「表現」の違い:
「表出」=言いたいことを言い、叫びたいことを叫んで、スッキリすること
「表現」=相手に情報をインプットし、相手を特定方向に動機づけるためになされるコミュニケーション
(「表出」と「表現」とを混同する政治家のコミュニケーションのまずさを批判して)

絶望から出発しよう (That’s Japan)

絶望から出発しよう (That’s Japan)


p.40
『ゼロからわかる経済の基本』野口旭

現在の学校制度では、中学校の「公民」で経済を撫でてからあとは、一度も経済の学習をせぬまま、大学を卒業して新入社員になることができる(ぼくもそうだ)。理系も含めれば、社会人全体のなかで経済未習派が占める率は優に五割を超えるにちがいない。(略)
まあ、それでも学生のうちは経済とは無縁でいられるからまだいい。ところが、社会人ともなればそうはいかない。経済の必要ない職種に就いたとしても、税金、各種社会保険、生保・損保への加入、不動産などなど、その後の一生にはカネのやりくりがついてまわる。それは場当たり的に対処できるかもしれないけど、できるなら「経済」という大きな地図を頭に入れて、そのなかで自分の生計を位置付けるほうが安心だ。

ゼロからわかる経済の基本 (講談社現代新書)

ゼロからわかる経済の基本 (講談社現代新書)


p.52(守屋淳

戦争への論評には、一つ面白い法則がある。それは、いつの時代でも、血なまぐさい戦闘の現場から離れているほど、人は強気でタカ派的な発言を口にしがちということだ。
例えば、1991年の湾岸戦争において、統合参謀本部議長をつとめたコリン・パウエル(後の国務長官)や、現地の最高指揮官であったシュワルツコフは、ややもすれば開戦を急ぐ政府首脳に対して、戦争反対の立場にまわっていた。二人は、ともに泥沼のベトナム戦争を現地で味わった経験を持っており、パウエル自身こんなことを書き記している。
<<エリートは生まれつき血気にはやっているから、現実の世界にショックを受けるとすぐ、血を流しながら死んでいく人間を増やしたがる>>(『マイ・アメリカン・ジャーニー』コリン・パウエル 角川書店)


p.56
『ゲームの理論入門 チェスから核戦略まで』モートン・D・デービス

ゲームの理論入門―チェスから核戦略まで (ブルーバックス)

ゲームの理論入門―チェスから核戦略まで (ブルーバックス)


p.58
『ゲームとしての交渉』(草野耕一)

ゲームとしての交渉 (丸善ライブラリー)

ゲームとしての交渉 (丸善ライブラリー)


p.67(斎藤哲也
デカルトが『方法序説』のなかで採用している、4つの真理を探求する方法:
1.偏見にだまされず自分で真と認めるものだけを受け入れること
2.大きい問題は分割して考えること
3.単純な認識をつみあげて順序良く考えること
4.全体をよく見て見落としがないかを確認すること


p.71
『社会認識の歩み』(内田義彦)

社会認識の歩み (岩波新書)

社会認識の歩み (岩波新書)


p.88

いわば、「努力すればナントカなる」社会から
「努力してもしかたがない」社会へ、
そして「努力する気になれない」社会へ
」(佐藤俊樹『不平等社会日本』p.128)


p.151

はっきりいうと私はこの本を、わが子のための「若年破綻防止マニュアル」のつもりで書いた。
」(『若者はなぜ「決められない」か』長山靖生 p.232)

若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書)

若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書)


p.154

貧困は、金銭をもたないことにあるのではない。金銭を必要とする生活の形式の中で、金銭をもたないことにある。
」(『現代社会の理論 情報化・消費化社会の現在と未来』見田宗介 p.104-105)

現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書)

現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書)


p.237(石田豊

この本(盛口満『ぼくらの昆虫記』)を読んだ感想として「こんな先生のいる学校で勉強したかった」あるいは「こんな先生だったら昆虫が好きになっていただろう」なんてことを言う人がいる。直接耳で聞いたこともあるし、そういう感想を何度か読んだこともある。ふにゃらけたことを言うんじゃない。コドモじゃあるまいし。オトナなら自分がこれから「こんな先生」みたいになっていけばいいのである。そして、それが実に楽しく実り多いものであることは、著者がこの本全体を通して語っていることでもあるのだ。


p.289

「理にかなっていないことを、かなっているように見せるのは詐欺」で、「理にかなっていることを、かなっていないように見せるのが奇術」(中村弘『マジックは科学』p.20)


p.295
磯田道史『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)


p.303(斎藤哲也

本節のテーマは、内田樹氏の『疲れすぎて眠れぬ夜のために』から(さらには村上春樹から)拝借したものだ。この本にはこんな一節がある。
<<欲望の充足ラインを低めに設定しておけば、すぐに「ああ、なんという幸せ」という気分になれるでしょう。「小さくても確実な幸福」(@村上春樹)を一つ一つ積み重ねてゆくこと、それが結局「幸せ」になるための最良の道だと思います。>>