ジョン・バッテル『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた


検索技術やらなにやらでなく、Googleという会社の風土に興味があって借りてきたのだけど、ちょっと外れだったかも。ちょっと違ったところでいろいろと気になったことをメモ。

p.193
雇用のスパイラル現象:
・まず経営者がAクラスと判断した人材を雇う。彼は完ぺきに仕事をこなし、生産的で会社の雰囲気にも溶け込める
・経営者はAに適任と判断するものを雇うよう依頼する。こうして採用された者が、さらに適任と思う者を採用する
・しかしこれが続くと、雇用のスパイラル現象という大きな問題が発生する。まずAは自分に歯向かったり脅威にならないような人物Bを選ぶだろう。Bも同じパターンでCを採用する。こうして会社にはいつしか、CクラスかDクラスの人間ばかりになってしまう。
・その結果、会社は独自の社風を失い、内部抗争で分裂し、硬直した上下関係が会社を支配するようになる


p.206

グーグルの歴史で最も大切なことを3語で表せないだろうか。エンジニアのポール・ブックハイトが「邪悪にならない(Don't Be Evil.)」に要約されると言った。
これがグーグルの社訓、標語となり、まず社内のスローガンとして「グーグラー(社員)は互いにどう遇すべきか」、ついで「グーグルは対外的にどう行動すべきか」の回答として使われた。
(略)
言うまでもなく、グーグラーがどういう人たちかは別にして、このモットーは傲慢な感じさえするし、なにが悪でなにが善かを決める権利が、はたして彼らにあるというのだろうか。
アマゾンのCEOでグーグルの投資家でもあるジェフ・ベゾスに、この標語がどのように聞こえるか聞いてみた。彼の反応は多くの人を代表しているように思えた。
「もちろん邪悪であってはいけない。だからって、それを自慢げに口にすることもないでしょう」