福沢恒『プロジェクトマネジメント 実践的技法とリーダー育成』

プロジェクト・マネジメント―実践的技法とリーダー育成

プロジェクト・マネジメント―実践的技法とリーダー育成


もう何度も何度もボスに言われていることが書かれている。言われていることは間違っていない。できていない自分が圧倒的に間違っているだけ。できないだけ。ふぬー。

p.4

プロジェクト・リーダーの役割は、次の「3つのN」に集約される。1つめのNは、ナビゲーター(Navigator)としてプロジェクトの舵をとり、目的に向かって引っ張ること。2つめのNは、ネットエネーブラー(NetEnabler)としてネットワーク型の協働環境をフル活用し、プロジェクトをエンパワー(能力アップ)すること。3つめのNは、ネゴシエーター(Negotiator)としてプロジェクトの利害関係者への働きかけを行うことである。
1人のプロジェクト・リーダーがこの3つの役割をすべてこなしている場合もあれば、複数の人が補完しながらこの3つの役割を機能させている場合もある。いずれにせよ、この3つの役割のいずれかが欠けても、プロジェクトは失敗する。


p.15
プロジェクト計画書に書いておくべき内容(一般的なもの)
・プロジェクトの背景(なぜ、いまこのプロジェクトが必要なのか)
・プロジェクトの目的(何を目指すのか)
・計画作業の進め方(どのように計画作業を実施したのか)
・現状分析の結果(現状について何が問題なのか)
・プロジェクト実施後に目指す姿の定義内容(プロジェクトによって何が変わるのか)
・実行計画・スケジュール(いつ、何をやるのか)
・予算計画(いくらかかるのか)
・費用対効果(採算はとれるのか)
・要員計画(誰が、いつ、何人必要なのか)
・作業場所(どこで作業するのか)
・運営方法(どのように実行プロジェクトを運営するのか)
・予想するリスクと対応方針(プロジェクトの阻害要因に対してどのような手を打つのか)


p.18

プロジェクトは、目的があるから存在する。プロジェクトの目的は、つねに参照され、達成度を問われるものでなければならない。
プロジェクト・リーダーは、目的の伝道師として歩き回らなければならない。したがってプロジェクト・リーダー自身が、目的を自分の言葉として咀嚼し、メンバーに伝導できるものとする必要がある。


p.20

「雇われマダム」的なプロジェクト・リーダーの行動パターンは、①計画時点で目的を矮小化する、②最後までやり遂げずに逃げ出す、③実行後に目的が達成されていない理由をあげつらう、という3つに集約される。プロジェクト・リーダーがこれでは、プロジェクトは成功するわけがない。


p.23-26
プロジェクトの原則
・プロジェクトの目的はすべて、会社の戦略に通じるものでなければならない。
・プロジェクトでは、裁量の共通言語である数字を活用する。
・百聞は一見に如かず。ベスト・プラクティスを一見しなければならない。
 (業界の最先端、成功例を見て、自分たちとの差を目にすることで奮起したり、イメージを持ったりできる)


p.34
プロジェクトの原則
・タスクは、プロジェクト問い生命体にとってのタスク(1週間から1ヶ月の単位)から、個々人にとってのタスク(半日から1日の単位)まで定義されなければならない。


p.35
ETC(Estimate To Complete)
書くタスクをやり遂げるために必要な工数、所要時間の見積もり
・1回辺りの平均所要時間を求めて、回数を乗じる方法
・以前に実施した同種の仕事における実績所要時間を参照
・分量や個数をカウントできない場合=考えれば考えるほどきりがない場合は、「使ってよい時間枠の目安」という観点から工数を定義する。


p.50
プロジェクトの原則
・効果創出のシナリオを明確にしなければならない。


p.112
プロジェクトの原則
・プロジェクト標準なくしてコラボレーションなし。複数の人が作業に着手する前に、標準を決めて周知しなければならない。

1.言語の統一
→企画書内の用語集などを作成。新規メンバーにとっても便利。
2.テンプレートの提供
3.ルール作り


p.145
プロジェクトにおいて求められるリーダーシップ
・プロジェクトの成功(約束した成果を達成すること)に強い脅迫観念を持っている
・失敗を恐れることはないが、おきてしまった失敗からはとことん学ぶ
・プロジェクトの人的側面(メンバーのやる気や能力)を重視する


p.149
プロジェクトのエンパワー=「個人の力の和 x 集団力係数」

エンパワーの方法
・一人ひとりの個人の力を高める
・集団力係数を高める、すなわち集団としてのシナジー効果が出るような仕組みを作る