小笹芳央『モチベーション・マネジメント』


カリキュラムを作るときに、学習目標と同じくらいに大事にしたいのは学びの「モチベーション」。僕の中で、「モチベーションといえばこの人でしょ」というくらいな勢いな小笹さんの本。昨秋の文化祭のときに作ってもらったプリクラが栞になっていたので、読むのを中断してから半年以上寝かせていたことになる。
いろいろと勉強になる。メモをとって、それをカリキュラムの中で利用したらどうなるだろうか、というのも考えてみた。より深めていきたいな。

以下、メモ+アイデア。

p.30
モチベーションマネジャー
=従業員に対して

・社会や顧客に対しての貢献感
・組織の中でのやりがいある使命
・自分自身の技術の向上感

 をリアルに感じさせる資質を備えていなくてはならない


p.41
影響力の源
1)「こわい」
・自分の軸、規律をしっかりと持っている厳しさ

2)「すごい」
・「あの人が言うのだから間違いない」と思わせるような
 専門知識、技術などの専門性

3)「すてき」
・人間的魅力
・自分を認めてくれる
・ポジティブな評価をしてくれる

4)「ありがたい」
・「自分のことを一生懸命考えてくれている人」と感じてもらうこと


p.45
モチベーションの高さを決める公式:
目標の魅力 × 達成の可能性


p.49-p.133
モチベーション・マネジメントの実践
※以下、自分の仕事で利用できそうなものだけ。
 ☆印は学校でやったらどうなるかな?と考えたアイデア。

■ゴールセッティング
・適正な目標
 =全体の7割が達成できるレベルで
・公正な目標
 =能力以外の部分で最初から差がつかないように
・インセンティブをアップさせる
 =達成率が高くなるごとによりやる気を引き出すものを提供する
☆小さな目標を数字として自分で設定、フィードバックする

■ラダー効果
 「石を積み上げてほしい」ではなく、
 「要塞を作るために、意思を積み上げてほしい」と伝える
・個々の「しなくてはならないこと」を、
 より大きな目的へ「抽象化」し、目線を上げる
☆勉強をしたことでいったい何が変わるのか、目標を見せる

■リンク効果
・細分化した「しなくてはならないこと」のつながりを実感させる
☆問題を自分たちで作ってみよう

■コミットメント効果
・ときには思い切って意見に従ってみる
 →意思決定に参加した実感を与える
☆勉強プランを生徒が自分でやってみる
☆グループで決めた内容に先生が文句を言わないことにする

■リクルーティング効果
・自分の原点を知らせる
☆入試担当者になってみる
☆自分で入試問題を作ってみる
☆面接官をやってみる

ロールモデル効果
・「あの人のようになりたい」というヒーローの存在を探す
☆伝記やニュースなどを読む

■オンリーワン効果
・一人ひとりの長所を見つけ出す
☆自分のいいところを自分通信簿に書いてみる

■ロールプレイング効果
・役割演技で視点を移動させる
☆親子での進路についての話し合い
☆「勉強しなさい!」「やっても意味ねーじゃん」みたいな感じ
 →親が心配している気持ちを疑似体験

■マイルストーン効果
・途中目標を設定する
☆学期ごとなどに目標を設定する


p.154
インセンティブビンゴ
・他部署との協力がなければ列がそろわず、高額インセンティブは入らない
・他部署への関心アップ
・他部署への協力やヘルプが増える