『カンブリア宮殿 村上龍×経済人2』

カンブリア宮殿 村上龍×経済人II (日経スペシャル)

カンブリア宮殿 村上龍×経済人II (日経スペシャル)


カンブリア宮殿は好きな番組。けっこう見ています。いろんな経営者の人が出てきますけど、みなさん魅力的よねー。以下、メモ。

p.52(吉野家・安部社長)「
みんな、自分の適性というのは自分の好き嫌いだと思っているじゃないですか。ところが、好き嫌いと才能とは別なんです。だから自分の今やっていることを全力でやっていると、たとえ嫌いだったことでも、他のやつよりできることはいっぱいある。目の前のことに全力を発揮し続けている限り、必ず周りの人はそれなりの評価はしてくれると思うんですよ。

p.72「
確かに「失敗」は重要な教訓となることが多い。失敗からはさまざまなことを学ぶことができるし、失敗を経験していない人は案外もろいというのも事実だろう。だが失敗が許される「条件」がある。時間や資金という資源を充分に持っている人と、そういった資源が乏しい人ではまったく条件が違う。大林氏から学ぶべきことは、単純な「失敗のススメ」ではない。現在の自分の「失敗の許容量」を正確に判断できる客観性である。

p.213(川鍋さん・日本交通)「
ある弁護士の先生にずっとお世話になっていたのですが、会社が生き残った時に、その方から言われたんです。「自分がやってきた何百件という案件の中で五指に入るほどうまくいった」と。「君、何でかわかるか」「わかんないです」という話になって、「君もがんばった。僕もがんばった。だけどこれは、この会社が過去に積み上げてきた徳によって、もう一回チャンスを与えられたんだ」というわけです。「何でそんなことがわかるんですか」と聞くと、「いろいろな会社の再生をやっていると、ここで勝たなきゃいかん」という時がある。そういう時に、上手くいっているようでダメになる会社と、ダメそうでも必ず神風が吹く会社がある。日本交通は後者だ。ヤバそうでも必ずポイントのところでうまくいく会社は、過去に良いことをしてきたからだ。だから川鍋君、復活した暁には君にはもう一度、徳を残さなければいかん」と言われました。

p.262(村上龍)「
社会学者が言っていたのですが、魚屋で丸のままの魚を買ってさばいてもらうと、子どもにしても、生き物を食べていると言う実感がわくそうです。だから自然界に対する畏敬の念もわく。でも最初から切り身だと、生き物だという実感が少ないんですね。僕らが思っている以上に、スーパーで切り身を買うようになったことは、思いがけない影響を与えているのかもしれません。

p.273「
ジュンク堂の強さ。それは専門家もうなる“品揃え”だ。めったに売れない本まで置くことで、客の信頼を集め、リピーターにする。本の仕入れや陳列は、すべて現場の担当者が決める。その権限は絶大。たとえ店長であろうと、口出しはできないという。ジュンク堂には、社員が勝手に仕入れて、社長の工藤も知らない本で溢れている。