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飯田泰之・雨宮処凛『脱貧困の経済学 日本はまだ変えられる』

脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる

脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる


著者ふたりとも1975年生まれ。同い年か…。「貧困」って、普通に毎日会社に行っていると何だかぼんやりとしか捉えてないけど、ある日突然ものすごく表面化するような気がしてきて、怖くなった。
TBSラジオ Digに出演していたときに飯田さんが、今の日本は「赤ん坊のキャッシュカードを使って買い物をしまくっているようなもの」と言っていて、それ以来すごく言動に興味があるエコノミストです。貧困問題、もっと真剣に勉強したいと思ってます。
以下、メモ。

p.16
プレカリアート
・不安定なプロレタリアート、という意味の造語。
・派遣社員やフリーターなどの非正規雇用者や失業者だけでなく、零細事業主や長時間労働をしいられる正社員など、現在の労働市場で不安定かつ過酷な状態におかれるすべての人を指す。


p.26-43
食を得られない人たち、または働いていても食べていけない人たちの増えた理由
(世間でよく言われている説):

  1. 国際化、国際競争=海外の安い労働力に仕事を奪われた、というもの。しかしこれくらいは為替変動で飛んでしまう程度の競争力の差。
  2. デジタル・ディバイド=機械がヒトから仕事を奪った、というもの。経理ソフトなど、データ入力だけですむ仕事が増えてきている。
  3. 景気が悪い、経済成長がない


p.38
山田昌弘『新平等社会』より:
「ワードやエクセルを使えるだけでは、派遣社員にしかなれない、ワードやエクセルを作り改良する側にならなくてはならない」


p.56-57
何がワーキングプアを救うのか?

  • 日本では家賃補助の精度がないので、失業→即ホームレスとなってしまう。(雨宮)
  • イギリスとアメリカのノースカロライナでは、低所得者への労働補助金を実施している。例えば、1000円稼ぐと200円もらえる、のような。(飯田)


p.59
飯田「
裕福な人から貧乏な人へ「富」を移動して不平等度を下げるのが「再分配」なんですが、日本は「再分配する前」、つまり単純な収入の不平等度と、どこかからお金をとってどこかに渡した「再分配の後」の不平等度がほとんど変わらない、という変な国なんです。どこの国でも、ふつうは不平等度を改善するために再分配をやっているのに。


p.188
飯田「
日本の政治家は平気で「もう日本は成長できない」「足ることを知れ」とか言うんですけど、自分が何を言っているのかわかっているんでしょうか。「私はあなた方を幸せにはできませんが、給料はいただきます」と宣言しているようなものです。


p.222
飯田「
例えば生存可能水準を月18万円--それでもけっこう厳しいけど--とすると、ぱっと考えただけの計算ですが、やっぱり時給1200円ぐらいですよね。すると、今度は1200円を払える会社がどのくらいあるのか、という話になります。で、1200円を払ってでも雇われるような人は--すごく冷たい言い方ですけど--たぶんいまも1200円もらっていると思う。だからベーカムのほうが筋がいい、と僕は思うんです。