山内祐平『デジタル社会のリテラシー―「学びのコミュニティ」をデザインする』

デジタル社会のリテラシー―「学びのコミュニティ」をデザインする

デジタル社会のリテラシー―「学びのコミュニティ」をデザインする


別の資料を探しに図書館へ行ったのですが、偶然見つけてそのまま読みきってしまった本。曖昧模糊としている感じの定義が多い「リテラシー」について、けっこう言葉として書いてあるので、けっこう参考になりました。

以下、メモ。

リテラシー:
人が世界をよりよく理解し、賢明に生きていくために生み出された技術体系。社会をより深く理解し、新しい対話やコミュニケーションを生み出すために学ぶもの。


p.15
アメリカでのInformation Literacyの定義:
日本での定義に加えて…
・情報の探索
・情報の評価
・利用の文脈
・技術と操作 などが含まれる


p.18
同志社国際高校のすごさ:
・リファレンスデスクが存在する
・140台の貸し出しラップトップ(これはすごい!)
・41台のデスクトップPC(これはちょっと少なめ?)
・リサーチステーション、プレゼンテーションピット、スタジオなどの活動空間
・レファレンスサービスの存在


高校生のインターネット検索は、キーワード吟味が不十分のため、多くの失敗が起こる
」(河西・2001)


p.20
メディアグラフィーカード
・参考文献カード(さまざまなメディアで利用)
・調査活動内で生徒が自分たちで記入する
・参考、引用という研究の基本的方法を身につける
・メディアごとに色分けして記録するので、
 自分の情報ソースがわかりやすい


p.52
Visual Literacy(ジャック・テンプス 60年代)
・視覚的言語が存在すること
・視覚的に考えたり行動したりできること
・視覚的に学ぶことができること
・アイデアを視覚的に表すことができること
※金沢や福井など北陸でこのリテラシーは発達しているそうです


p.72
3つのリテラシ
情報リテラシー(情報活用)
メディアリテラシー(解釈、表現)
・技術リテラシー(ネットワークリテラシーなど)


p.135
デジタル社会のリテラシ

1.道具と記号を操作する
2.批評的に読み解く
3.創造的に表現する
4.多様な記号体系を習得する
5.メディアと技術の役割を理解する
6.社会、経済、文化的状況を理解する
7.学びに必要な情報を探し出す


p.208
山内祐平(1999)は、子どもがインターネット上のコミュニケーションに参入するプロセスについてフィールドワークを実施。指導が何もない自然状況下では、操作的なことで遊びながら覚えた後に多くの子ども達が活動から離脱してしまうことを報告している。


p.210
デジタル社会におけるメディア実践活動への正統的周辺参加
→新しい生き方マガジンを作ろう、など