読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

J.ウィニック『子どもの発達と運動教育 ムーブメント活動による発達促進と障害児の体育』

books

子どもの発達と運動教育―ムーブメント活動による発達促進と障害児の体育

子どもの発達と運動教育―ムーブメント活動による発達促進と障害児の体育


運動の発達を助ける教育について調べようと思って読んだ。「ムーブメント活動」、うーん、初めて聞く言葉ですよ…。非常におもしろいな。確かに、子どもの最初の学習や発達の多くは、動くg句集を含んでいるものね。発達の5領域=身体、運動、知覚、学習能力(教科)、認知という分け方も、最終的には書いているリサーチの報告書には盛り込めなかったけれど、こういう分類の仕方があるのか、と非常に参考になりました。
以下、メモ。

p.2「
遊びは、発明と学習のための螺旋的、自発的、そして社会的に容認できる媒介物である。それは初期の発達にとって主要な道具である。たとえ遊びが、静的活動を含もうとも、多様なムーブメント経験は、遊びや発達にとって重要な役割を演じている。ムーブメントを通して、子どもは身体を発達させ、それによって学習能力を向上させながら、遊ぶ力や、環境の中で動く力を高めていく。」

・子どもの最初の学習や発達の多くが、動く学習を含んでいることからも、ムーブメントの重要性はわかる。
・年齢が進むにつれて、ムーブメント能力や経験は変化していく。

p.9-10
発達の5領域:

全面的発達:
身体
 静的筋力
 動的筋力
 瞬発力
 心肺持久性
 敏捷性
 柔軟性
運動
 移動性運動
  転がる、這う、歩く、走る、跳ぶ、ギャロップ、ホップ、スキップ
 非移動運動
  投げる、捕える、蹴る
 バランス運動
知覚
 視知覚
  図-地(背景からある形を分離して知覚する)、空間関係、知覚の恒常性、視覚運動協応
 聴知覚
  図-地、聴覚弁別、音の定位
 ハプティック知覚
  身体意識、ラテラリティ、触知覚
学習能力(教科)
 言語概念
  読み、書き、聞き、言語とコミュニケーション
 数概念
  数の認知、数える、計算、測定、基礎的幾何学概念、論理的数学解法
 科学概念
  重力の影響、動作の法則、動作の型、てこ、投射物、力の吸収、平衡、生理学的概念、他の基礎的概念
認知
 遊び
 身体・運動知識
 知覚活動
 論理-数学的思考
 空間-時間的思考
 表現・社会的相互作用
 問題解決

p.90「
クラッティ(1970)は、先行研究から、子どもの身体の知覚に関する発達的傾向を以下のように概観している。

2歳まで:主要な身体部位を意識する。
2〜3歳:前後、横、頭、足を意識し、これらを基準に対象を位置づける。
4歳:身体に両側のあることに気づき、その名前を知るが、位置がまだわからない。
5歳:身体に左右のあることを知るが、身体の向きが変わるたびに混乱する。また対象を基準に自己を定位したり、自己を基準に対象を定位する。
6歳:身体部位の左右を区別しはじめ、対象物の左右に関して自己を定位したり、身体の左右を基準に対象物を定位する。
7〜8歳:ラテラリティの概念を確立する。
9〜10歳:無理なく客観的な視点で対象物、自己身体の低位ができる。」

p.90
身体意識を高めるためのムーブメント活動
1.身体部位を認識し、その名前を言ったり、指さしたりする。
2.身体の全身的な筋調節が必要なバランスの活動をする。
3.身体部位の名前を使ったリズム、ダンス活動
4.トランポリン、スクーターボード、模倣ゲーム、ムーブメントによる探索ゲームなど
5.水泳
6.鏡を使ったゲーム
7.等尺性、緊張性などのリラクセーション活動など

p.91
「ラテラリィ」:
・ケファート(1960)の研究
・右と左の内部知覚のこと。
・身体には左右両側があることを知り、身体の両側性の運動を行うことで、内部の両側を区別できるようになり、発達すると考えている。
・必要に応じて両側を同等に刺激したり、別々にい激することが両側の差異化に重要。
・ラテラリィの発達は、学習能力、特に読みの発達に関係するというのが、昔から論争されてきた。ケファートは、ラテラリィの獲得は、教室におけるよみのレディネスであると考えた。(ラテラリィが獲得されていないと、bとd、24と42、wasとsaw、pとqの区別が困難であろうと考えていた)

p.96
運動活動の学習における媒介作用
(MALM: motor activity learning medium)

p.98
「活動的なゲームによる指導法」(UCLAのクラッティ(Bryant Cratty))
・人の成熟を4チャンネルの発達モデルで表現する。
 →認知、知覚、運動、言語能力
#足し算は「認知」。これを考える時に、当たられた数だけジャンプさせる(運動)などの連動ムーブメントを実践しているらしい。

p.131-132
ギルフォードの3次元のち的構造モデル(S1モデル)はおもしろい。