三谷宏治『ハカる考動学 ビジネスの今と未来を「測る」・「量る」・「計る」』

ハカる考動学

ハカる考動学


ハカることが大事、というのはとっても腑に落ちるなあ、と。できる限り、数字など評価できるものにして考え、行動する、ということ。なかなか学校の教科では教えられないものなあ。著者の三谷さんは、小学校などでもたくさんワークショップをされています。ぜひぜひ、一度見学に行かせてもらいたいです。こういう、いわゆるコンサルで使うようなスキルを、子どもたちに「ああ、便利!」と納得させる教え方って、とても貴重だと思うので。
以下、いろんなヒントになりそうな部分をメモ。

p.4
ハカることの『力』:
ボトムアップ」「トップダウン」「ヒトをハカる」「作ってハカる」「新しいハカり方を創る」

p.23「
知りたいのは、ジャンプのある面白い商品・サービスのアイデアや、その前提となる世の中の隠れた変化、もしくは大変化の予兆。
それらを見つけ、生み出すために、必要な力が、実は「ハカる」力なのだ。「ハカる」力とは、これまでとは違ったものを対象に、これまでとは違った方法で、測定し組み合わせて、インサイトを絞り出すための力だ。

  • 「ハカる」の基本が分かれば、一次情報からインサイトを見つけられる
  • 三つの「ハカる」を自らの技に出来れば、大きなジャンプが得られる

ジャンプが必要な時代に、多くのヒトに必要なのは天才的センスでも超人的努力でもない。新しい「ハカる」力なのだ。」

p.24-25「
何をどうハカったら良いインサイトが出るか、ちゃんと仮説を考えよう。(略)
いずれの場合も、ハカる基本は「枠組み」作り。
そして「枠組み」とは、軸(何をハカるか)を決め、目盛り(どんな固まりでまとめるか)を刻み、データを集め、さらにそれらのデータを組み合わせること。
それが対象を「ハカる」ということだ。」

p.45「
ハカるとはただ対象を数字にすることではない。共通の枠組み(軸・目盛り・組み合わせ)のもとでこそ意味がある。」

p.46-47「
“論理的”と言うからには、固まりやつながりがちゃんと証明されねばならない。
その証明のために、いよいよここで「ハカる」の登場だ。ここまでトップダウン的に考えたから、何をハカるべきかは明らかになっている。
ハカるべきことは、いつも次の二つ。
1.固まりの大きさを明らかにする
2.つながりの太さを明らかにする
そしてそのために、どうハカるかの枠組み(軸・目盛り・組み合わせ)を作るのだ。」

p.58-59「
仮説と一致せず、「間違っていた」となっても、悲観することはない。ちゃんと論理的に考えてさえいれば、次に進める。
ここで考えるべきは、「仮説を支えていた論理の、どこが間違っていたか」だ。
前提が誤っていたのか、分けた固まりが大きすぎたのか、論理のつなぎなのか。それをグラフから読み取ろう。
ボトムアップ型でハカったときは、このグラフの読み取りこそがダイジなところ。大いに手と頭を動かそう。」

p.72「
48ページでは、交通渋滞の主な発生原因を論理思考的に考え、ハカる練習をした。
主な原因は「○○渋滞」という言葉を探せば分かり、それは「1.事故」「2.工事」「3.帰省ラッシュ」「4.自然」などということだった。」
#なるほど、こういう事例の出し方もあるなあ、と。

p.119「
日常の仕事の中で、皆が常に意識して「ハカる」ようにするには、リーダーとしてどうすればいいのだろうか。
これも、率先垂範・トレーニングと共に、常に、部下たちにホンダ式「三現主義(現場に行く、現物(現状)を知る、現実的である)」の問いを投げかけ続けることだ。
「ファクトは何?」
「現場(やお客さん)と話してきた?」
「それであなたとしてはどう思うの?」

繰り返し、繰り返し、あきらめず何度でも。」