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西村行功『先が見えない時代の「10年後の自分」を考える技術』

「10年後の自分」を考える技術 (星海社新書)

「10年後の自分」を考える技術 (星海社新書)


「10年後の自分」を考えることって、そんなに簡単じゃないよね…。でも、そういうのを想像することって大事だよなあ、と思うわけです。シナリオ・プランニングの技法を使って、「どんな自分になりたいか」を考える方法を紹介してくれます。ちょっと、じっくり時間を作ってやりたいな、と思った。

p.16-25
私たちを支配する「3年時計」の呪縛、理由は3つ:
1.10年という時間軸で考えた経験がない
 →学校は3年刻み。仕事も「3年間は我慢しろ」など
2.楽観的に考えているから
 →今ほど、「未来を考えないことがリスクになる」時代はない
3.どうやって考えたらいいのかわからない
 →不確定なことが多すぎる、と思考停止になっている

p.28-31
未来思考のベースになるもの=シナリオ・プランニング

必要な力は3つ:
1.モノゴトをつなげて考える「つながり思考力」
 →因果関係を考えること
2.つながりをもとに未来を思考する「先読み力」
 →「単一の未来」ではなく、「複数の起こりえる未来」を考える
3.修正を前提に決断する「一歩を踏み出す行動力」
 →不確実な要素が多いが、動かないと見えてこないことも多い
  どこまで決めて、どう動き始めるかが問題だ

p.42「
シナリオ・プランニングの真髄は、漠然と「こうあってほしい未来」を思い描くことでも、「こうなるに違いない!」と未来をピンポイントで予測することでもなく、「起こりえる複数の未来」を想像力を働かせて真剣に考え、その対処法を事前に考えておくことにある。
(略)
シナリオ・プランニングとは、こうした「たら・れば」について真剣に考える思考法だと言い換えることもできるだろう。」

p.70「
「Aが原因となってBが起きる」という因果関係に達するためには、
1.AとBの変化に相関関係がある
2.Aが起きたあとにBが起きる
3.Bの原因は、A以外に考えられない
これら3つのことが同時に言えなければならない。」

p.87-88「
理解してほしいことは、目の前のちょっとした変化や違いに「あれ、おかしいな?」と気づき、背後にある因果関係をつぎつぎとつなげていって、一段高いところから俯瞰して全体の構造を見てみると、思ってもみなかった“本質的なもんだい”がそこに現れることがある、ということだ。」
#システム思考についても参照すること。

p.204-205「
シナリオ・プランニングは「未来予測」と混同されがちだが、「予測」という言葉には「正解を当てる」というニュアンスが含まれている。
これだけ不確実性が高い地代に、正解なんてものは誰にもわかりようがない。
未来をピンポイントに予測することは不可能だという考えをアタマに叩き込んでおく必要があるだろう。(略)
学校でもこういったベーシックな考え方を教えておくべきだろう。
これまで、多くの未来予測が外れてきた。
「蓄音機の発音はなんのビジネスチャンスも生み出さないだろう」(1880年、トーマス・エジソンが語った言葉)
「世界中でのコンピュータ需要はせいぜい5台程度であろう」(1943年、IBMのトーマス・ワトソンが語った言葉)
「すでに50車種以上の輸入車がひしめき合う米国市場で、日本車が大きなシェアを占めることはないだろう」(1968年、『ビジネス・ウィーク』が日本車の市場参入にあたって掲載した言葉)
「個人が家庭でコンピュータを使う理由など、どこにも見当たらない」(1977年、コンピュータ企業・DECのケン・オルセンが語った言葉)
古い話ばかりではない。たとえば、携帯電話の加入者数は、2000年では1000万人程度だと予測されていた。
これは1992年に予測された数字だが、当時の加入者数が170万人だったことや、当時は「携帯・自動車電話」と呼ばれ、大きな電話機だったことを考えれば、1000万人でもかなり楽観的な予測だったと言えるだろう。
しかし現実には、5000万人を超える結果となった。5倍も読み違えたのだ。」

p.214
シナリオ・プランニングで先読み力を使うためには、なるべく「具体的に」考える。
5W2H:<誰が><いつ><どこで><何を><なぜ><どのように><いくらで>

p.239
「10年後の自分(生活や人生)にとっていちばんインパクトが大きい不確実性を見つける」

p.242-243
シナリオ・プランニングの例。仮説も含めて、自分なりの「考えるべき大きな不確実性」について、思考してみる。

ポイント

  • 主要な「変化ドライバー」が、確実性の高い要素(□)なのか、不確実性の高い要素(○)なのかを判断する
  • 変化ドライバー間の因果関係に着目し、矢印で「つながり」の仮説をつくる。複数のつながりがあっても良い。
  • 最終的に矢印が集まる先が、不確実要素①「就業環境の動向」であり、この因果関係図から、不確実性①がどのような構造で成り立っているのかがわかる。
  • また、「就業環境の動向」がさらにどのような結果(未来の「幅」をもたらすのかを考え、示す(「就業環境が激変」から「就業環境は大きく変わらず」までの「幅」)。

p.255-259
未来ストーリーを過去形で語る。

変化ドライバーを列挙して終わるのではなく、必ず「ストーリー」にまですること。
列挙や箇条書きのままでは、「なんとなくわかった風」で終わりがち。ストーリーにすると、「論理的に成り立たないものは、実は繋がらない」ことに気づきやすくなる。
=ストーリーという「強制発想」法を利用して、「論理的なつながり度」をチェックする。