グリン・V.トーマス/アンジェル・M.J.シルク『子どもの描画心理学』
- 作者: グリン・V.トーマス,アンジェル・M.J.シルク,中川 作一,田中 義和,水戸 義明,赤木 里香子,浜谷 直人,田代 和美,寺川 志奈子,木原 久美子
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2011/08/24
- メディア: 単行本
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子どもが絵を描いているところはよく見るし、だんだん絵が何かがわかるようになってくる過程みたいなものはわかるんだけど、こうしてしっかり知識として調べたことがなかったので、とても勉強になりました。
以下、メモ。
p.9-16
子どもの描画の特徴:
18ヶ月から2歳半まで
- 紙の上にしるしをつけ始める=スクリブル?
- 形に気づき、しだいに目と手が協応していく
- 初期のスクリブルは何かの再現をしようとしたものではない。純粋な練習である(ピアジェとインヘルダー 1969)
- 再現ではなく、運動衝動
- 規則的でリズミックな動きで、紙の上でぐるぐる腕を動かし、紙の上に現れるしるしに興味をもつ
- 自分のスクリブルを絵として意味付けるようになる。描き終わってから、描いたものに意味をつける。
2歳半から5歳まで
- 自分の絵をなにかの再現として見るようになる
- 何を描きたいのかを、描き始める前に言明するようになる
- 絵を描きながら、他のものに似てくれば、最初に口に出した意図から離れることも。
- 3歳半くらいで、頭と胴体、そこから足が出る、ような「おたまじゃくし」を描く
5歳から8歳まで
- だんだん写実的になる
- 頭と胴を区別して描画し、手や指、衣服などの付加された細部が、さらにいきいきと描かれるようになる
8歳から青年期まで
- 個々のものの奥行きだけでなく、ものとものの関係としての奥行きが絵の中に現れる
- 視覚的リアリズムが出てくる
- 9歳、10歳の自由描画は、だんだんより慣習的になり、漫画(アニメ)や4コマ漫画の登場人物たちがよく描かれる。
p.64
子どもの描画には2つの構成様式:
- 組み立て方式
- 外形線方式