J.McV.ハント, 波多野誼余夫『この子にあった保育指導シリーズ 乳幼児の知的教育』
- 作者: J.マックビカ?・ハント,波多野誼余夫
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 1976
- メディア: 単行本
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乳幼児の遊びの中には、いろんな要素が詰まっている。そうしたことをきちんと勉強したいな、と思って読んだ。特に、「みたて・つもり遊び」のところとかおもしろかった。2~3歳頃くらいにする、みたて遊びは、目の前にないものをイメージする力を育てるのだそうです。そして、これがごっこ遊びにつながる。例えば、小石が魚になったり、食べ物になったり。自分が運転手になったり、動物になったり、というやつですね。
自分の息子を見ていて、「ああ、そうそう!」と思えることが多いなあ。きちんと理論立てられるのだな(当たり前か)。
p.38-43
話し合いをどう指導するか?
4歳児の特徴:「おちょくり・ふざけ」
↓4歳児たちの話し合い
1.自信を持っていえること
2.しゃべりすぎず、すぐ終わること
3.みんなが楽しく聞けること
の3つにポイントを置く。
5歳児の特徴:自分のことからみんなのことへ
・とにかく話し合う
p.122-130
なぜ、みたて・つもりあそびがたいせつか
・2~3歳の子どもたちは、みたてあそび、つもりあそびが大好き。
→眼の前にないものをイメージする力を育てる。
→これがごっこ遊びにつながる。
→小石が魚になったり、食べ物になったり。
自分が運転手になったり、動物になったりもする。
→イメージする力や想像力を豊かにする。
■1歳後半~2歳ごろのイメージする力とみたてあそび
→じっくりと物と関わって、繰り返してあそぶ姿
※1歳前半は、歩くことが楽しくて、おもしろいものがいっぱいでという探索の時期。
それからだんだん物にじっくりと関わって繰り返し遊ぶようになる。
こうした物にじっくり関わって遊ぶ力が、幼児期になって、自分で遊びを見つけたり、
工夫したりしながら遊びこむ力につながっていき、そこから集中力が育つ
=繰り返して遊べることで集中力も養える。
→みたてる力と言語・認識の関わり
印象的なことを部分的に記憶できるようになる
それをイメージとしてよみがえらせるようになったことで、みたてが始まる。
→同じように、ことばがけで見通しが持てるようになるのも、
記憶したことがことばがけによってイメージとして引き出されるようになるから。
■2歳ごろのイメージする力とみたてあそび
→みたてのイメージがはっきりしてくる
→「いってきまーす」と出かけては、何か持って帰ってきて、保育者にあげる遊びが楽しくなる。
→生活の中では、ことばに形容詞が出てきて、多語文になったころと重なる。
→楽しかった経験、心に残った経験が、みたて・つもりあそびに出てくるようになる。
→戸外での遊びは、みたてる素材が豊富。
■2歳半ごろのみたて・つもりあそび
→一人ひとりのイメージを豊かにふくらませる
→フライパンに砂を入れてゆすり、「卵焼き」とかもできるように。
→つもりとつもりをつなぐ
■3歳ごろのみたて・つもり
→子ども同士のイメージの共有ができるようになってくる
→自分の役を宣言して、「○○ごっこ」と名称をつけ、みんなで共通のイメージをもって遊ぶ
→子ども同士の言葉のやりとりもずっと多くなる
→動物のつもりあそびにみる子どもたちのイメージ
生活を再現するあそびに加えて、動物のつもりあそびも楽しい。(耳やひげをつけて遊ぶ)
ストーリーを入れて、みんなで楽しむときに、イメージを共有できるように。
※このころは、自分がつもりになっていれば満足している段階。
それらしく演じようとするのは、幼児期のごっこあそびになってから。
p.212
子どもは、向かい合った人、後ろの人のを見て書くと鏡文字になる
→向い合って文字を教えるのではなく、並んで教えましょう。
最初は、ゆっくり大きく書いてもらう
p.220-221
「気になる親」にはより適切なアドバイスを
●指示語・命令語を多用する親
→子どもにも言い分がある。子どもはわがままで抵抗しているのではない。
●絵本を与えすぎる親
→文字を早く覚えさせたい、絵本を読む訓練を剃る必要はない。
→自分の気持をわかろうともしない親に、子どもは話を聞いてもらいたいとは思わない。
●子どもにしゃべらせない親
→言葉が話せるようになると、言葉で説明を求めがち。
「言わなきゃわからないでしょ?」とか。
→子どもの表情や態度なども表現手段なので、それを読み取ってあげれば、
命令口調以外の言い方になれるはず。