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河野博子『アメリカの原理主義』

アメリカの原理主義 (集英社新書)

アメリカの原理主義 (集英社新書)


イスラム原理主義のテロと対決しているアメリカに、「原理主義」という言葉はあまり似つかわしくないというイメージもあるが、実はアメリカ国内にもたくさんの原理主義が…という話。キリスト教右派の存在から、中絶や同性結婚などのレポートがおもしろかった。
以下、メモ。

p.146-147「
7年生(日本の中1相当)による授業:
・教室を真ん中から左右2つの陣営に分け、一つひとつステートメントを読み上げて、賛成と反対を分ける。
・最初のステートメントは、「セックスすることなしにつきあうのは、OKだ」。「もちろん、OK」「そんなの、飽きちゃうよ」。
・おもしろいのは、「デートでは、男の子が払わなければならない」というステートメント。賛成反対のそれぞれによる意見を聞いた後、次のステートメントは「男の子がデート代を払う。女の子は何かセクシャルなことをしなければいけない」。
#おもしろいが、日本の中1ではできないかなぁ。大学生でやるとリアルかなぁ…高校くらいでもおもしろいけど、歓迎はされなさそう。


p.160「
アラバマ州では、週教育委員会が定める指導要領の社会科学部門から、2004年4月に「マルチカルチュラリズム」という項目がそっくり消えた。
・「カルチュラル・アウェアネス(文化理解)」というタイトルに変わった。内容としては、「文化理解活動により、生徒は、違いとともに、米国市民の間の共通性、自由な人々の統一体として互いに糾合することを評価できるようになる」という説明に変わった。


p.215「
アメリカの原理をめぐる対立
絶対的な真実や善悪を求める人 vs 何を信じ、大切に思うかは個人の自由と考える人
アメリカは最も自由で、神が人類に与えた最良の国 vs アメリカは、それぞれ歴史や文化のあるさまざまな国の一つ
国家としての統一が重要 vs 多様性はアメリカの強み
西欧文明、ユダヤ・キリスト教の伝統の重視 vs マルチカルチュラリズム
連邦政府の介入、規制を極力斥ける vs 福祉・教育・災害対応などで連邦政府の機能は重要
中絶は殺人 vs 中絶は女性の選択
同性愛・同性結婚は聖書の教えに背く、自分の身体は神のもの vs 同性カップルにも夫婦と同じ権利、自分の身体は自分でコントロール
自由の拡大はアメリカの使命 vs アメリカに世界を塗り替える特別な使命はない
理想の追求が重要 vs 現実に基づく分析をし、方向性を探る
敵と味方を峻別、敵との宥和・妥協をしない vs 敵と共存の道を探る
国連など国際機関は信用できない vs 国際機関を通じて世界の平和安定を
先制攻撃論 vs 武力行使は国際法のもと制限される