大塚英志『ストーリーメーカー 創作のための物語論』


物語の文法の基本2つで、「欠落したものが回復する」「行って帰る」である。というのは、以前児童書の出版社の方と話をしたことがあったので、おもしろかった。
他にも、「物語」を作るために必要な構造を取り出して見せてくれる。「不在」とか「情報の要求」「情報の入手」「空間移動」「闘争」など機能が物語の中にどんなふうに入っているのかを見ていく。なるほどねー。必要な要素が決まっているってことなのね。おもしろいかも。
子どもに小説を創作するような授業の中で使えないかなぁ。
以下、メモ。

p.4-5
「物語の文法」
・「物語の構造」であり、物語を物語たらしめる内的な論理性。
・子どもたちのなかで習得されていくのは5歳前後と言われる(発達心理学者・内田伸子さん)
・すべての子どもに自ら使用する程には習得されない傾向にあり、母語の文法とは違う。
・物語を「理解」するのと「書く」ことは違い、書くほどには物語の文法を習得しない。


p.6
吉本ばなな母語として物語を操るタイプ。
村上春樹中上健次→「物語の文法」という概念を作家になった後に明らかに習得している。


p.8
AIを使って作家の「文体」を自動生成するプログラム程度に、コンピュータは自ら語る。
七度文庫 http://homepage3.nifty.com/yuki_nanotabi/


p.26
物語の文法の基本2つ:「欠落したものが回復する」「行って帰る」