マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン『さあ、才能に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす』

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす


表紙カバーの裏側にIDが印刷されていて、それを使ってストレングス・ファインダーで自分の才能(というか特性というか志向)を評価してもらうことができます*1
まあ子どもの頃からそうだし、仕事をするようになってからもそうなのだけど、「何をするのが好きか/得意か」ということに合わせていろいろなことを学ぶということが少ないと思う。学校の「あの」テスト形式、「あの」授業形式でたまたま合わなかっただけで、地頭がいい子はたくさんいるし。だからこそ、多くの人が、自分の個性というか好きなスタイルで学べて、自分の好きな方向にキャリアを伸ばせるといいな、と思います。
ちなみに僕のストレングス・ファインダーによる「自分だけの特徴的な資質」は、34の中から上位5つは…

  • 「収集心(=あなたは知りたがり屋です)」
  • 「学習欲(=あなたは学ぶことが大好きです)」
  • 「調和性(=あなたは同意点を求めます)」
  • 「自我(=あなたは、他人の目にとても重要な人間として映りたいのです)」
  • 「内省(=あなたは考えることが好きです)」

でした。うん、なるほど、という感じです。納得できる。特に「収集心」。好きです、集めるの。そのわりに、リサーチする仕事とかあまり好きでないのはなぜだろう…。「収集心」が別の方向に伸びてるよなあ、僕は。学習欲、調和性、自我のあたりも納得します。
以下、メモ。

p.10
人間に対する2つの誤った認識に基づいて築かれている企業がいかに多かったか:
1.人はだれでもほとんどすべてのことにおいて、能力を発揮することができる。
2.誰にとっても最も成長の余地があるのは、その人の一番弱い分野である。


p.29-30
「強みとは常に完璧に近い成果を生み出す能力」=強固な人生を築くのに最も大切な3つの原則:
1.強みは首尾一貫することができて初めて、心の強みに生る。安定性が合ってこそ成果も予見できる。
2.満足のいく成果を得るには、自らの職務に関するすべての業務に適した強みを持つ必要はない。
3.傑出した存在になるには強みを最大限に活かせ。弱点にこだわってはいけない(弱点を無視しろ、ではない)。


p.32-39
「強みを活かし、弱点と折り合いをつける」、そのための3つの革命ツール:
1.「才能」と「経験によって身についた能力」を区別する。
 才能、知識、技術が組み合わさって初めて強みが生まれる。
2.才能を特定する
3.才能をことばで表す


p.55

技術とは、容易に伝えられる極意を伝える手段にすぎない。技術を身につければ進歩はするかもしれないが、だからといって才能の欠如を補ってはくれない。そうではなく、強みを築くに際して、技術というものは、真の才能と手を結んだときにこそ大いに頼りになるものなのである。


p.72

才能は持ち主に、その才能を「活かしたい」と思わせる力だけでなく、活かして「愉しい」と思わせる力も備えている。どういうわけか、最強の脳内回路は、この「活かしたい」と「愉しい」という2つのシグナルがスムーズに流れるようにできているのである。そのため、才能が活かされたときには、即座に愉しいというシグナルがT1ラインを流れる。


p.89-: ストレングス・ファインダー

収集心

あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報――言葉、事実、書籍、引用文――かもしれません。あるいは形のあるもの、例えば切手、野球カード、ぬいぐるみ、包装紙などかもしれません。集めるものが何であれ、あなたはそれに興味を引かれるから集めるのです。そしてあなたのような考え方の人は、いろいろなものに好奇心を覚えるのです。世界は限りなく変化に富んでいて複雑なので、とても刺激的です。もしあなたが読書家だとしたら、それは必ずしもあなたの理論に磨きをかけるためではなく、むしろあなたの蓄積された情報を充実させるためです。もし旅行が好きだとしたら、それは初めて訪れる場所それぞれが、独特な文明の産物や事柄を見せてくれるからです。これらは手に入れた後、保管しておくことができます。なぜそれらは保管する価値があるのでしょうか? 保管する時点では、何時または何故あなたがそれらを必要とするかを正確に言うのは難しい場合が多いでしょう。でも、それがいつか役に立つようになるかどうか誰が知っているでしょう。あらゆる利用の可能性を考えているあなたは、モノを捨てることに不安を感じます。ですから、あなたは物や情報を手に入れ、集め、整理して保管し続けます。それが面白いのです。それがあなたの心を常に生き生きとさせるのです。そしておそらくある日、その中に役に立つものが出てくることでしょう。


学習欲

あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あなたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。それは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにまた次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。


調和性

あなたは同意点を求めます。あなたは、衝突や摩擦から得るものはないという考えを持っているため、そのような争いを最小限にしようとします。周囲の人々が異なる意見を持っていることが分かると、あなたはその中の共通する部分を見出そうとします。あなたは彼らを対立から遠ざけて調和に向かわせようとします。事実、調和はあなたの行動を左右する価値観の一つです。人々が自分の意見を他人に押しつけるために無駄にしている時間の多さは、あなたには信じがたいほどです。もし私たちが意見を述べることを控え目にし、代わりに同意や支援を求めるようにすれば、皆がもっと生産的になれるのではないでしょうか? あなたはそうなると信じています。そしてその信念によって生きています。他の人が自分の目標や、主張や、強く抱いている意見を声高に話している時、あなたは沈黙を守ります。他の人がある方向に動き出すと、あなたは調和という名のもとに(彼らの基本的価値観があなたの価値観と衝突しない限り)、喜んで彼らに合わせてあなた自身の目標を修正するでしょう。他の人たちが自分たちのお気に入りの理論や考えについて議論を始めると、あなたは論争を避ける方向に持っていき、全員が賛同できる、実用的で地に足の着いた事柄について話すことの方を取ります。あなたの見方では、私たちは全員同じ船に乗り合わせていて、この船をこれから行こうとしている所に到着させる必要があるのです。それはしっかりした船です。単に自分が船を揺することをできることを示すために、わざわざ船を揺する必要などないのです。


自我

あなたは、他人の目にとても重要な人間として映りたいのです。もっとはっきり言えば、あなたは認められたいのです。あなたは聴いて欲しいのです。あなたは目立ちたいのです。あなたは知られたいのです。具体的には、あなたの持ち前の強みによって人に知られ、評価されたいのです。あなたは、信頼でき、プロフェッショナルであり、そして成功している人として、尊敬されたいと感じています。同時に、あなたは信頼でき、プロフェッショナルで、成功している人とだけつきあいたいのです。もしそういう人でないと、あなたは彼らがそうなるまで圧力をかけるでしょう。彼らがそうならないなら、あなたは彼らを置いて先へ進むでしょう。独立心の強いあなたは、仕事を単なる仕事そのものではなく、自分の人生そのものにしたいと考えています。そしてその仕事の中で、好きなようにやらせて欲しい、又は自分のやり方でやるための余地を与えて欲しいのです。あなたのこのことに対する熱い思いは非常に強く、あなたはこれらを実現しようとします。ですからあなたの生活は、強く求める目標、成果、地位であふれています。何に焦点を当てていようとも――一人によって異なりますが――あなたの「自我」という資質は、中途半端から優秀な状態へとあなたを向上させ続けます。これが、あなたをより向上させ続けている資質なのです。


内省

あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。一方では、頭を働かせている方向は一点に定まっていない可能性もあります。内省という資質は、あなたが何を考えているかというところまで影響するわけではありません。単に、あなたは考えることが好きだということを意味しているだけです。あなたは独りの時間を楽しむ類の人です。なぜなら、独りでいる時間は、黙想し内省するための時間だからです。あなたは内省的です。ある意味で、あなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げ掛け、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。この内省という資質により、あなたは実際に行っていることと頭の中で考えて検討したことと比べた時、若干不満を覚えるかもしれません。あるいはこの内省という資質は、その日の出来事や、予定している人との会話などといったような、より現実的な事柄に向かうかもしれません。それがどの方向にあなたを導くにしても、この頭の中でのやりとりはあなたの人生で変わらぬものの一つです。


p.329
定期的な従業員との話し合いで毎回する3つの質問(案):
1. 今後3ヶ月、何にいちばん力を入れるつもりか?
2. 何を発見しようと(学ぼうと)しているのか?
3. どのような(協力)関係を築きたいと思っているのか?

*1:ブックオフで中古で買うわけにはいかなかったし、図書館で借りるわけにはいかなかった理由はこれ。