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大竹文雄 編『こんなに使える経済学 肥満から出世まで』

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こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)

こんなに使える経済学―肥満から出世まで (ちくま新書)


経済学は別に金儲けのための学問ではなく、「人々を豊かにするような世の中の仕組みを考える学問だ」という編者が、いろいろなテーマを経済学的に考える本。つまみ食い的に読んだ。目次的に見ると、以下の通り。
第1章:肥満や中毒といった「健康」についての議論
第2章:早生まれと学力、出世と学歴といった「教育」についての議論
第3章:セット販売、いじわるといった「日常生活」についてのテーマ
第4章:銀行行動や株価といった伝統的な経済学でイメージされる「お金」に関するテーマ
第5章:談合問題、周波数割り当て、公共事業といった「政府」に関するテーマ
第6章:騒音おばさん、耐震偽装といった「法律」に関するテーマ
おもしろいのは第2章。早生まれと学力ってあるよね…。小さい頃は、4月生まれと3月生まれが同じ学年にいるのって本当にフェアじゃないことあるもん。で、統計的にもおもしろいのは、プロ野球選手もJリーグ選手も、4月〜6月生まれが多いのだそうな。やっぱり小さい頃に体格が良くてスポーツとかで自信をつけて、そのままがんばれた、っていうのがあるようです。こうして統計で実際に検証してみるっていうの意外と見たことがなくてよかった。
以下、メモ。

p.16
経済学を学んでも大金持ちにはならない。
→経済学は、人々を豊かにするような世の中の仕組みを考える学問だ。

p.42
「マーケット・デザイン」(市場設計):
・経済学の新しい分野。
・「メカニズム・デザイン理論」の思想の現実世界での実践。
・レオニド・ハーヴィッチ、エリック・マスキン、、ロジャー・マイヤソンが2007年にノーベル経済学賞を受賞。
・経済制度を与えられたものではなく、ゼロから設計すべきものと捉える。


p.54-55
苦手意識が道を閉ざす:

  • 早生まれのような実質的な年齢の違いで成績に差が出る現象を、発達心理学では「相対的年齢効果」と呼ぶ。
  • 3月生まれの子が1年生のうちに徒競走でビリになってしまったせいで、自分は走るのが遅いのだという意識を植え付けられてしまうことも可能性はある。(ピグマリオン効果やゴーレム効果とも関連あり)
  • プロ野球選手には、4月〜6月生まれが多い。サッカーJリーグの選手にも同様の傾向がある。幼児期の成功体験が刷り込まれ、本人の自身に影響を与えるのではないかと考えられている。


p.72

教師の質の低下は、米国でも大きな問題になってきた。その原因として、経済学者たちが指摘してきたのは、1960年代から始まった労働市場における男女平等の進展である。どうして女性の雇用機会均等が教員の質を低下させるのだろうか。
かつては米国の労働市場でも男女差別が根強く存在し、一般のビジネスの世界では、女性は活躍できなかった。このため、学業にすぐれた大卒女性は、教職についた。つまり、学校は男女差別のおかげで、優秀な女性を安い賃金で雇用できたのである。


p.74
教員養成系学部の難易度の推移を調べてみると、平均偏差値は90年代以降低下している。


p.133
グラミン銀行は、貧しい村に拠点を作って、借り手を自ら発掘することで、情報の非対称性を最小化している。さらに借りての村人にグループを組ませて融資することで村人同士が連帯責任を負えるだけの信用能力の高い相手を選ぶ「相互選抜」のメカニズムを働かせている。


p.200
身近な話題でありながら経済学の最先端にかかわる話:
第1章:肥満や中毒といった「健康」についての議論
第2章:早生まれと学力、出世と学歴といった「教育」についての議論
第3章:セット販売、いじわるといった「日常生活」についてのテーマ
第4章:銀行行動や株価といった伝統的な経済学でイメージされる「お金」に関するテーマ
第5章:談合問題、周波数割り当て、公共事業といった「政府」に関するテーマ
第6章:騒音おばさん、耐震偽装といった「法律」に関するテーマ