読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

御立尚資『使う力 知識とスキルを結果につなげる』

使う力 知識とスキルを結果につなげる (PHPビジネス新書)

使う力 知識とスキルを結果につなげる (PHPビジネス新書)


初めて読んでからはずいぶん日が経っているのだけど、コンサル業界出身の人たちの仕事力を見ていて勉強したくなり、再読。やっぱり言葉の選び方とかが上手だよなぁ。こないだ千恵ちゃんと話していたときに出てきた「結晶化」とかも出てきた。
以下、メモ。

p.34
「使う力」とは:

  • 戦略のインサイトにとどまらず、マーケティングや人事、財務といったいろいろな知識。
  • すべての知識を自分のやり方で使い、ビジネスの結果を出していく能力の総体。

p.43
「使う力」を定義するための3つの必要条件

条件その1:
ビジネスリーダーが果たすべき役割に即している(到達目標としての「使う力」)

条件その2:
スキルとして、習得方法が明らかにされていること(入り口としての「使う力」)

条件その3:
普段の仕事の中で身につけるという意識を持てば、力を伸ばしていけること(日常の仕事の中での「使う力」)

p.60-73
「頭の使い方」系のスキルとして大切なもの:

「ベーシックスキル」=構造化のためのスキル
ロジカル・シンキング
 →欧米文化の根幹。バーバラ・ミント『考える技術・書く技術』や木下是雄『理科系の作文技術』など。
図解の技術
 →情報を単純な形で把握できるようにする。また、図にすることでさまざまな概念操作が可能になる。
モデル構築
 →何らかの「構造」を抽象モデルとして表現する。


「応用スキル」=創造力に関する応用スキル
定量化
 →世の中にデータがないような事柄を、知恵を絞って「意思決定に必要な精度で、数値化する」スキル。
グラフ発想
 →データや数式で表せることをビジュアルな形で表現したもの。
クリエイティブ・シンキング
 →発想を広げ、ユニークなアイデアを出していく発想法。多湖輝『頭の体操』、西堀栄三郎『創造力』


p.65
図解の技術に関連して:「
人間の頭というのは面白いもので、一定以上の情報があふれていると、それを処理するだけで手一杯になってしまうが、シンプルにまとめ直すと、そこからどんどん新しい考えが膨らんでいく。


p.75-82
「ベーシックスキル」
プレゼンテーション
 →話しているときにどこを見るか(視線)、声のはりや大きさの使い分け(抑揚)、身振り(ボディランゲージ)など。そのうえで、伝わりやすい言葉を選べるか、難しいことを簡単に説明出来るか。
ファシリテーション
 →議論を円滑に進めていくスキル。さまざまな意見を引き出すこと。
ネゴシエーション
 →相手との関係で優位につ立つためのスキル。双方にメリットがある「プラスサム」になる方向に交渉を導く。

「応用スキル」
アクティブ・リスニング
→よりよい説得のためには、話す技術よりも聞く技術が重要。適切な質問をしながら、相手から引き出し、形を与えていく。
コーチング
 →人と組織を動かすために、何をすべきかを理解させ、それを実行しようというモチベーションを高める。


p.95
企画力:
課題設定力、情報収集力、分析力、創造力、統合力


p.132
「人と組織を動かし、結果を出す」ために持つべき能力(到達目標)
=モチベーション喚起力 × 規律徹底力 × 仕組み構築力


p.138-139
「意見の結晶化」=エレベーター・トーク
→上司や取引先の経営者などと同じエレベーターに乗り合わせたときに、目的の階で降りるまでのわずかな時間に自分の意見やセールスポイントなどを瞬時に説明してしまうこと。


p.142-146

私自身が後輩のコンサルタントに、結晶化について教える場合には、以下の2つのやり方をしている。

1.
何か相談したり議論したりする前に、自分の言いたいことを簡潔に説明してもらうこと。「紙の内容を説明するな。話したいことを、一言で言え」事前に自分の考えをできるだけシンプルにまとめておく。ブレット・ポイントを作る=言いたいことを5〜7個に絞り込み、A4用紙1枚に1行ずつ書いてもらう。

2.スライド形式のプレゼンテーションを使っての「抜き出し」練習。作成したプレゼンテーションのなかから、「時間が25分に変更になったら使う3枚」のように急遽定められた時間に応じて使うスライドを変える。


p.149
「行動=論理×感情」


完璧な論理(論理=100)で説得しても、相手の感情が動かなければ(感情=0)、人は行動を起こさない(100×0=0)。ロジカル・シンキングに頼りすぎるのは危険だというのは、こういうことだ。


p.151

相手の論理構造をあらかじめ知っておくこと。たとえばこちらがXという前提条件からYを経てZという仮説(X→Y→Z)を導いたとしても、相手がXからAそしてB(X→A→B)というロジックで考えていたとしたら、ZとBの差を埋めるのは至難の業というより、ほぼ不可能に誓い。だが相手はX→A→Bというロジックで考えているというのがわかっていれば、「X→Aのほかに、X→Yという流れもありますよね」と、論理の分岐点に戻り、そこから議論を始めればいい。それで、X→Yもあるなと相手を納得させられれば、その後Y→Zという落としどころに誘導していくのは、それほど困難な作業ではないのである。


p.182

ボストン・コンサルティング・グループでよく使われる言葉に、
What gets measured, what gets done.
というものがある。
「測られたものは成し遂げられる」「測定できるものは達成できる」などと約セルが、実際んい測定できるようになると、人間には絶対にそれをよくしていこうというモチベーションが働くのだ。当然、自分の能力を高めるときにも、そういった仕組みを組み込んでしまったほうがトクになる。


p.189
ある経営者からのアドバイス:
「土日の片方は徹底的にリラックスする。もう片方で、中長期の課題をゆっくり考える時間を意図的に作る。さらに、それを基にして次に月曜の朝に何をしようかと、次週の仕事の組み立てを考える。これだけで経営者としての立ち上がりはぜんぜん違ってくるよ」

「緊急なことが重要なことを駆逐する」のは当然。だが、目先ばかり考えていては経営者になれない。