久保田競『2〜3才からの脳を育む本―おうちで出来るカリキュラム満載』

2?3才からの脳を育む本―おうちで出来るカリキュラム満載 (セレクトBOOKS)

2?3才からの脳を育む本―おうちで出来るカリキュラム満載 (セレクトBOOKS)


仕事で次に取り組む、幼児向けの脳トレドリルの参考資料として読んだ。「エチカの鏡」で一気にブレイクした脳科学おばあちゃんの旦那さんの本です*1
0〜4歳の間に、さまざまな刺激を与えることで、外の世界と脳の間にさまざまな回路ができるのだ、という話。言葉での語りかけも、「どっちが好き?」とかの選択してもらう問い掛けも、一緒に遊ぶごっこ遊びも、すべてがそこに繋がる。
たくさんの外部刺激をあげたいな、と自分の子どものことを思う。一方、世の中には児童虐待のニュースが多くて、自分の子どもがそんな目にあったら…と自動的に想像しちゃって、無性に悲しくなって落ち込む。
以下、メモ。

p.2

●2〜3才になっても、子どもは自分で学習する能力はないので、まわりからの働きかけで脳を育み続けなければなりません。
外の世界からの刺激を受け入れて、外の世界を知り、感覚・感性の能力を高め、考え決断する能力を高めます。そうすると、独自の個性を持った人間に育っていきます。
●2〜3才ごろに遺伝のプログラムにしたがって脳の回路がつくられ、その回路が働くことでシナプス同士がつながって働くようになっていきます。神経回路に外の世界から感覚刺激を与えるとその情報が伝達され、感覚が生まれ、感性がつくられます。それを元に外の世界へ働きかけると運動や行動が出来るようになるのです。
●感覚刺激を与えないと、感覚・感性はつくられず、運動・行動が出来るようにはなりません。このように脳を育むことで、独自の個性を持った人間を創造することができるのです。


p.8

いろいろなことをたくさん経験すればするほどシナプスがたくさんできて、この神経回路が密になっていきます。ですから、脳がいちばん発達する0〜4才ごろは、たくさん刺激を与えて脳の神経回路を増やし、大脳の厚みを増やしたいのです。それには脳のあらゆる場所でシナプスを増やさなければなりません。あらゆる種類の感覚情報(見る、聞く、ふれる、味わう、においをかぐ)を処理し、手も足も使わなければなりません。


p.9

脳がもっとも発達する3〜4才ごろまでに、あらゆる種類の刺激を与えて脳を鍛えなければなりません


p.11-12
幼児期の、さまざまな体験と学習が、感覚・感性を磨きます


1〜2才ごろには、ものの形の区別がつき、丸、三角、四角など形の違ったものを見分けたり、同じ形を集めたりすることができるようになります。色も赤、青、黄の3色の違いがわかるようになります。
2〜3才になると、形は平面から立体へと理解が広がり、複雑な形もわかるようになります。また、色は3色だけではなく微妙な色の違いを理解するようになります。
視覚情報は、形と色だけではありません。ものには「かたむき」「縁」「明るさ」「奥行」「質感」「長さ」などの特徴があるわけですが、これらはそれぞれ視覚連合野内で異なる小領域で処理され、それらの特徴が連合野でまとめあげられます。このような過程を経て、私たちは見たものが何であるか把握するのです。それがわかるようになるためにも、幼児期にさまざまな体験と学習をとおして、いろいろな感覚刺激を区別すること、感覚だけでなく、それで起こる感情も鍛えなければなりません。


p.13
ミラーニューロンシステム:
行動や運動を見て、理解して、まねる時に働くシステムのこと。

子どもに新しいことをさせるときは、次のような手順で行う:
1.お母さんがやって見せる。
2.子どもと一緒にやる。
3.子どもだけにやらせる。
そして、できるようになるまで繰り返す。2回目からは、2.をした後にちょっと考える時間をおき、自分で何をやるか、考える時間を持たせるといい。できたら大げさなくらいほめる。そうすると、自信がつき、VTAシステムが働き、ドーパミンが出てますますやる気が出て運動もうまく出来るようになる。


p.49

2才になれば、かくことも上達してきます。1才ごろはエンピツを持たせても、それを握りしめて、紙にたたきつけるように点を打つのが精いっぱいです。それが、なぐりがきができるようになり、横や縦の線が引けるようになります。3〜4才になると、らせん、円が書けるようになるでしょう。
(略)
なぐりがきから始まって、だんだんしっかりした絵がかけるようになるということは、単にテクニックが上達したということだけではなくて、見たものを正しく理解できるようになったということ。つまり、脳の神経回路がそれだけ発達した証拠でもあるのです。


p.66
線描きの易しい順:
1.左右
2.上下
3.曲線
4.円

*1:そもそも脳科学おばあちゃん、旦那が買った脳科学の研究書を読みあさり、それを自分の子育てに反映して成功、という人なのです