堀内都喜子『フィンランド 豊かさのメソッド』

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))


マクロな観点からのフィンランドの現状を報告してくれています。もう少し踏み込んだ内容がほしいかな、という感じでしたが。著者が参加したという、EU異文化コミュニケーション修士プログラム、というのがおもしろいな、と思った。共同で歴史教科書を作ってしまおう、と考えるヨーロッパらしいプログラムだな、と。同じ釜の飯を食った、ヨーロッパ全体のことを考える人を作っていくこと、隣国の人を顔が見える形で知っていくこと、これが大切だということなのでしょう。アジアでもやればいいのに。
以下、メモ。

p.90
EU異文化コミュニケーション修士プログラム:

  • EUが資金援助。国や大学の枠を超えた修士課程。
  • 2年間のプログラムで、最初の1年は自分の国、自分の大学で決められた授業に参加。2年目は1つの大学にヨーロッパ中の国から学生が集まり、一緒に勉強し、最後に論文を書いて自国の大学から卒業する。
  • 教授もヨーロッパ中のさまざまな国からきている。
  • 多様な学生が、多くの時間を共有、勉強する。


p.98
フィンランドの超学歴社会:

  • フィンランドではどこで何を勉強したかというのがとても重要視される。資格試験がない分、「そこで専門的な勉強をした」=「資格あり」とみなされる

  • 大学名よりも専攻や経験がものをいう。

※「掃除をするのに掃除の勉強を専門学校でしないとだめなんだよね」という冗談も。