中央公論2009年5月号 / 竹中平蔵「「現実」と「学問」をつなぐマトリクス勉強法」

うん、おもしろいな。

p.192
竹中先生が子どもたちと保護者に経済学を教える方法:
・最重要なのは「世の中に興味を持ってもらうこと」
 →世の中で起きていることに対して、「なぜだろう」と考えることができれば、「需要と供給」の話は、自然に出てくるはず
 →世の中に興味を持つ、という最初の一歩を踏み出させるのが、本当の教育だと思う
・こんなクイズから始める:
 「コーラやジュースの瓶は丸いけど、牛乳パックは四角いのはなぜ?」(牛乳は必ず冷蔵庫で保存しなければならず、スペースを無駄にしないことが必要だから)
 「CDもDVDもディスク自体は同じ大きさなのに箱の大きさが違うのはなぜ?」(CDは、元レコードの棚に置かれるけど、DVDは元ビデオの棚に置かれるから。棚を変えるコストが考慮されている)


p.193-194

私は、政治家としての仕事が終わったときに、こう思いました。昆虫学者が昆虫になる経験をさせてもらった。あるいは、天文学者が月になる経験をさせてもらったと。私はもともと政策を研究する「研究主体」です。ところが、政策の責任者になったということは、「研究客体」になったわけです。私は自ら望んで政治家になったわけではありませんが、これは本当に貴重な経験でした。是非とも社会に還元したいと考えています。
具体的には、プロのポリシー(政策)・ウォッチャーを育てたいですね。野球の評論家は、みんな元野球選手ですが、政策の評論家は、だれも実際の政策立案・実行に携わったことがない。クリントン政権下で財務長官を務めたローレンス・サマーズのように、アメリカには学者で政治家を経験する人がたくさんいますが、日本ではほとんど例がありません。