B-ing編集部『プロ論。』
- 作者: B-ing編集部
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2004/12/19
- メディア: 単行本
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意外な人たちが話していたのがおもしろい。キャリア論で、石橋貴明がしゃべっていたりするのはけっこう意外。佐藤可士和が上司に言われたという「隣の席に座っている同僚がいいと思うものでなければ、世の中の人はいいと思わない」も至言だな。
以下、メモ。
p.62
柳井正 氏
「
20代、30代は目の前の経営をすることでいっぱいいっぱいでしたから、将来のビジョンなんてとても描けなかった。心がけていたのは、とにかく会社をつぶさないようにすることだけでした。
失敗もたくさんしました。でも、致命的にならない限り失敗はしてもいいと思っていました。やってみないと分からない。行動してみる前に考えても無駄です。行動して、考えて修正すればいい。それが人生だし、それが商売だと思っているんです。
私はもともと商売には向いていない性格だと思っています。でも、商売にずっと携わってきて分かったことがある。それは向き不向きではなく、これだと思う仕事を一生継続することが何より大事だということです。
」
p.100
横山秀夫 氏
「
本が売れるかどうかという結果は、読者が出すものだと私は思っています。ただ、結果を出すためには、もちろん努力が必要です。死に物狂いで仕事をしている作家も多いはずです。でも私は、彼ら以上に睡眠時間を削り、もう一度推敲し、もっといい一行を絞り出したいと考えて仕事をしてきました。
本当に仕事で結果を出したいなら、何かを犠牲にしてでも努力をしなければならないと思っています。だから厳しい言い方ですが、少なくとも努力をしないで夢を見てはいけない。これは、どんな時代でも、どんな年代の人にも言えることだと思います。
」
p.119
佐々淳之 氏
「
上司をうまく使う方法があります。会議の席で上司に反発するなど百害あって一利なし。諫言は必ずサシで行う。これは基本。また上司に指示を仰ぐときには、3択の指示伺いが有効です。選択肢を3つ持って行く。これは陸軍大学校で教えていた参謀学でもあります。
」
p.214
佐藤可士和 氏
「
社内の選考にすら残れませんでした。そんなとき、「隣の席に座っている同僚がいいと思うものでなければ、世の中の人はいいと思わない」と上司に言われて。確かにその通りなんです。
隣の人がいいと思い、上司がいいと思い、クライアントがいいと思わなければ、多くの消費者がいいと思うはずはない。通らない企画やアイデアというのは、まだまだ寝られていない企画やアイデアだということ。企画を通すテクニックなんてありません。地道に石を一つひとつ積み上げていくように、アイデアを必死でブラッシュアップさせていくしかない。みんなから「これはいい」と思ってもらえるまで、やり続けるしかないんです。
」
p.245
白石康次觔 氏
「
多くの人たちにも支えられました。失敗が続くと、自分を見失うんです。人がうらやましくなる。自分を見なくなる。そんなとき、こんな言葉が書かれた額をある方からいただきました。「大切なことは大志を抱き、それを成し遂げる技能と忍耐と仲間を持つことである。その他はいずれも重要ではない」
最後のフレーズにガーンときましてね。夢に向かってまっすぐに進めばいいんだと、あらためて無真意なることができた。明確な目標が見えてくると、もう人がうらやましくなくなります。うらやましいと思っても、自分の状況がよくなるわけではないですからね。無心にリセットできたことで、自分は自分なんだと思えるようになったんです。
」
p.258-259
高橋がなり 氏
「
仕事の適性とは、「人にどのくらい喜んでもらえるか」で、考えるべきだと思っているんです。人に、より喜んでもらえる仕事こそ適性。そう心掛けて仕事を選び、取り組めば必ずチャンスはくると思う。
(略)
僕はよく「負け犬」という言葉を使います。自分は負け犬なのに、それに気づいていない人が多いからです。負け犬は群れるから、自分が負け犬であることに気づかない。例えば、著名人のインタビュー記事を見て、「こいつらは特別」「ちょっと運がいいだけ」と思う人がいる。同じ土俵に上がることすらしない。勝負する前から、もう負けてる。
負け犬じゃない人は違います。成功者にライバル心を持つ。こいつよりも上に行ってやると思う。自分が負けていることを、自覚できているからです。そしてそれができていれば、敗者復活戦のチャンスは必ずやってくるんです。
まずやるべきは、自分は負けていると認めることです。そして将来、勝利した自分の姿を想像する。そのためにやるべきことを定める。さらに勝利者インタビューを受けているところを想像する。つまらない日常では、インタビューになりません。成功者のエピソードたり得る苦労や努力がいる。それを今後、つくらなければならないと分かるはずです。
」