ゲイリー・ハメル『経営の未来 マネジメントをイノベーションせよ』
- 作者: ゲイリーハメル
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/02/16
- メディア: ハードカバー
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ホールフーズやW.L.ゴアなど、まったく聞いたこともなかった企業のケースを読むことができたのがよかった。いろいろな会社のベストプラクティスを学ぶ必要がある。イノベーションか。自分の苦手とするところだよなぁ。W.L.ゴアの「ギフト経済」という考え方は非常におもしろいと思った。誰かがプロジェクトを考え、そのメンバーを社内で募る。プロジェクトに選ばれたメンバーは、新しいプロジェクトを与えてくれたリーダーに対してお返しに自分の能力、経験、コミットメントを寄贈する。人気のあるメンバーとそうでないメンバーが出る。人気のあるプロジェクトとそうでないプロジェクトも出る。でも、
プロジェクトに協力してくれる人間を十分集められないとしたら、それはよいアイデアではないということだろう
と、ばっさり。そう!そうだよね!(笑)こういう仕事の仕方って、ある種憧れるかもしれない。自分の強いところを気に入ってくれた人が、そこに当てはめるために自分の働き場所を提供してくれる。ハリウッドの映画制作スタイルだよね。どういうふうに動いているのか、非常に気になる企業。チェックしておこう。
以下、いろいろとメモ。
p.22
経営管理を構成する要素
- 目標を設定し、そこに到達するための計画を立てる。
- 動機づけをし、努力の方向を一致させる。
- 活動を調整・管理する。
- 人材を開発・任命する。
- 知識を蓄積・応用する。
- 資源を蓄積・配分する。
- 関係を構築・育成する。
- 利害関係者の要求を、うまくバランスをとりながら満たす。
p.28-29
「
一度の勝利は、優れた技術や戦術の才や他のいくつもの要因のいずれかで説明できるかもしれないが、難度もくり返される軍事的成功--戦争の大混乱の中から何度も勝利者として立ち現れる能力--は、それらの要因では説明できないのである。
高度な兵器や優れた指揮官ではないとしたら、では、長期的な軍事的優位を生み出すものは何なのか。ノックスとマーレイは、長期的な優位はたいてい軍事ドクトリンや軍事組織の重要な進歩によるものだと主張している。歴史上の長らく勝ち続けた軍隊のほとんどが、過去に別れを告げて、兵士を鼓舞し、配属し、訓練し、配備する新しい方法を思い描くことのできた軍隊だった。これらの軍隊は、マネジメントのイノベーターだったのである。
」
p.67
イノベーションには時間が必要だ:
何でもかんでもムダをそぎ落とし、排除すればいいと言うことではない。
イノベーションには、夢を描く時間、熟考する時間、学習する時間、新しいものを生み出す時間、そして実験する時間が必要だ。しかも、途中で邪魔されない時間、机の上に足を投げ出して虚空を見つめていられる時間が必要。
p.97
経営管理イノベーションを目指す人のための教訓:
=原理は大切だ ホールフーズの「社員を愛する」という原理
p.112
W.L.ゴアは「ギフト経済」だ:
- 未来の起業家が新しい機会という贈り物を与える
- 仲間たちがお返しに自分の能力、経験、コミットメントを寄贈する
「プロジェクトに協力してくれる人間を十分集められないとしたら、それはよいアイデアではないということだろう」
↓
割り当てられた仕事ではなく、自発的なコミットメントで成り立っている組織
p.114
「
貢献を求める圧力はエネルギーを与えてくれると同時に、厳しいものでもある。ゴアの新入社員は、最初のチームに参加して2〜3ヶ月足らずで、2つ目、あるいは3つ目のプロジェクトにも参加するよう勧められる。人間は多面的で幅広い関心を持つものとされているので、1つの仕事に自分の時間を100%投入することは求められていないのである。
」
p.131
エリック・シュミット(Google CEO):
- Googleの組織は、バスケットボール型だ。バスケットボールは連続でプレーされ、選手が立ち止まり、相談するチャンスはほとんどない。戦略は動的かつ即興的。
- 一方、アメフトは戦術展開を細かく打ち合わせる
p.133
Googleのイノベーションの公式:
・イノベーションが不足し内容にするための明快な公式
・70-20-10と呼ばれる公式=20%はコアビジネスを拡大するサービス、10%は周辺のアイデアに割り当てられる