小学校での英語必修化ってどうよ?

仕事がらみでちょっとリサーチ。

◇目標は「将来の夢を語ろう」 文科省が教材試作、「聞く・話す」に重点

 英語必修化によって、小学5、6年が学ぶ内容はどんなものなのか。文科省によると、「聞く・話す」に重点を置き、「英語でコミュニケーションがとれるようにする」のが狙い。「中学校の授業の前倒しではない」(文科省教育課程課)ため、「書く・読む」に必要な文法は教えない。

 必修化の道筋を作った中央教育審議会の答申(08年1月)には、「小学生の持つ柔軟な適応力を生かして言葉への自覚を促し、幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培う」とある。吸収力が高いうちに耳に慣れさせてしまおうということだ。

 授業は週1時間で、年間35時間。担任が受け持つことになるが、中学校と違って英語専科の教員が少なく、苦手という教員も少なくない。新指導要領は「ネーティブスピーカーの活用に努める」としており、各校はALTの確保など指導体制の確立が今後の課題だ。また、国語や算数のような「教科」には位置づけていないため、教科書も成績表もない。文科省は「英語ノート」という教材の試作版と、使い方を細かく記した指導用資料を作った。

 教材内容は各学年とも9項目。初めて英語に触れるとの前提で、5年生の最初のテーマは「世界の『こんにちは』を知ろう」。6年生の最後は「将来の夢を紹介しよう」。「I want to be a teacher.Because〜(私は先生になりたい。なぜなら〜)」と話せるよう想定されている。

小学校の英語教育、保護者の4割は「期待せず」(読売ニュース)

 2011年度から小学5、6年で必修化される小学校の英語活動について、保護者の4割近くが「期待しない」と感じていることが、日本PTA全国協議会が実施した保護者への意識調査でわかった。

 7割の保護者は英語活動が効果をあげる条件として「英語専門の教員の配置」を求めており、小学英語の実施が近づく中、保護者の多くが教師の指導力に不安を抱いている現状が浮き彫りになった。

 調査は昨年11〜12月、小5と中2の児童生徒を持つ保護者4800人を対象に実施した。

 その結果、小5の保護者で英語活動について「大いに期待する」と回答したのは18%で、「ある程度期待する」と合わせると59%を占めたものの、「それほど期待しない」も33%に上り、「全く期待しない」と合わせると計37%が「効果」に否定的だった。

 英語活動が効果をあげるために必要な条件整備をたずねたところ、「英語専門教員の配置」が71%でトップで、「小学校にふさわしい指導法」が67%、「外国人ネイティブの配置」は58%だった。これに対し、文部科学省などが進めようとしている「CD・DVD教材」や「英語に堪能なボランティアらによるサポート体制」はいずれも20%以下で、保護者側の要求と、教育施策にギャップがあることも明らかにした。