畑村洋太郎『数に強くなる』
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/20
- メディア: 新書
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いつから数が苦手だったんだろう。算数の頃はまだある程度できていた気がするんだけどなー。中学の途中からかな、ひどかったのは…。ということで、克服すべく、あがいてみようと思って、まずは読んでみた。おもしろかった。数をただ覚えるという話ではなく、自分なりに数を作れるようにならなきゃだめ、ってことだよね。2階にいて、何段階段をあがってきたかと急に聞かれて、天井を見て高さを概算し、それを階段1段あたりの高さで割って…とかいう、数字作りを日常のなかで習慣としてやっていったら、ちょっとは変わるかな。
以下、メモ。
p.18
「わかる」とはどういうことか
[観察した現象]
↓
[抽出した事実]
↓
[仮定1]
構成要素の摘出
↓
[仮定2]
構造化
↓
[試動]
外から何らかの刺激を加えてみる
↓
[結果的に生じる現象]
最初と最後があっていないならば、わかっていないと思う
=仮定1or/and仮定2が違っている
最初と最後があっているならば、事実を理解したと思う
=仮定1も2も合っている
p.40
「
全体がつかめないと、目先の数ばかりを相手にすることになる。だから、子供のお使いのように、意味もわからず、「400グラム、400グラム、400グラム、…」と唱えることになるのである。
こういう形で頭に入れた数は、必要なときに出てこない。すぐに忘れる。いつの間にか変形する。その結果、ヘンなことを起こす。そういう経験を積み重ねていくうちに、すっかり数がイヤになってしまうのである。
ところが、「数に強い人」はそうではない。数にいろいろな属性をくっつけて、自分なりに全体をつかむことができる。質的なことや量的なことを始め、どうでもいい余計なことまでも含めて、1つずつの数にたいして種々雑多な属性を貼り付けて、数を豊かなものにするからである。そうすると、不思議なことに、必要なときに、必要な数が、即座に的確に出てくるようになる。これは逆に言うと、1つずつの数をそういうふうに豊かに扱えるのが、「数に強い人」なのである。
」
p.201
6%の原理
「
人は1%や2%の変化なら全然区別がつかない。3%や4%変わっていても気づかない。5%変わっても、まだ気にならない。ところが、6%変わった途端に、「コイツはいままでと違うぞ」と認識するようになるのである。
6%以下の変化なら同じ穴のムジナである。しかし不思議なことに、6%以上違うと、変化分が見えてくるようになるのである。
(略)
このように「6%」という数には、人間の認識の仕方を変える特性がある。
」