カルロス・ゴーン+フィリップ・リエス『カルロス・ゴーン 経営を語る』

カルロス・ゴーン経営を語る

カルロス・ゴーン経営を語る


ちょっと経営者の伝記を読み込もうと思い、ゴーンさんのが手近に見つかったので読み始めました。この人、リーダーとして本当にすごいね…。

p.80

“財務担当者とは、英語で言う「ビーン・カウンター」(そろばん勘定をする人)ではなく、事業や資本市場への投資、銀行からの借り入れを常に最適化することを考える人のことだ”


p.156

何かを手に入れようと思ったら、まずは望むことです。目標をあまり低く設定すると、結局はそこまでしか行きません。十分な検討は必要ですが、そのうえでならば高い目標を掲げることで、より良い結果を得られる可能性があります。


p.203
日産へ派遣されるルノーのチームへのミーティングから

研修の間、私はずっとこう言い続けていました。『日本では楽しいパーティーが待っているわけではないのだから、しっかりとしたモチベーションを持つ必要がある』。大切なのはモチベーションです。『君たちのなかで、誰ひとりとして、偶然、日本に行く者はいない。君たちが日本に行くのは、君たちが必要とされているからだ。また、日本に行ったら困難が待っているのはわかっているのだから、100パーセントを超えるモチベーションを持たなければならない』。これが日本に行くことに決まった人々に対する私のメッセージでした。そして、また、私はこうも伝えました。『日本に行くのには、“横柄な植民者”も、“博学の教授”もいらない。私が必要としているのは、“コーチ”だ。つまり、日本の人々の手助けをして、一緒になって問題を解決する人々だ』と…。必要なのは、教師のように問題を出して、『さあ、これを解いてごらん』と言う人ではありませんでした。そんな時間はなかったからです。必要なのは、“問題を解決する人々(プロブレム・ソルバーズ)”でした


p.247

目標とスケジュールについては譲ることはできませんでしたが、その実施の方法に関しては、議論は非常に開かれていたのです。それどころか、『何か良いアイデアを持っている人は、積極的に発表してほしい』と頼みました。決定の前ならばすべてが可能でした。しかし、もちろん、そこで出てきたアイデアは、激しい議論によって、“それを実行するのが可能だ”と裏付けられているものでなければなりませんでした。なぜなら、私たちが求めていたのは、目標に到達しようという意向ではなく、目標に到達したという結果だからです。


p.264
日産リバイバルプランの発表について

計画というものは、全体を見ない限り理解できないものだからです。それなのに、例えば、『どうやら3工場を閉鎖するらしい』『サプライヤーを半分に減らすんだって』『株式を売却するという話だ』などという情報が個別に漏れていったら、いったいどうなるでしょう?そのことだけが大きく取り上げられて、計画そのものが挫折しかねません。また、情報がひとり歩きして、社員を怯えさせるだけの結果につながるでしょう。そういった不要な心配をさせないためにも、計画は全体を提示する必要があったのです。全体像を掴めるよう、計画は一度に完全な状態で見せる必要があったのです


p.372
メーカーが生き残るための4つの要素
1. イノベーション(革新)
2. たゆみない品質の向上
3. コスト
4. スピード