山内昶『経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか』

経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか (ちくま新書)

経済人類学への招待―ヒトはどう生きてきたか (ちくま新書)


本棚にあったのを見つけてしまった。買っただけで積読だったのかな…。大学の頃に興味があったゲーム理論についてのところがおもしろかったので、メモ。

p.212

<<囚人のジレンマ>>のゲーム理論をつかって分与(シェアー)と私蔵(ホアード)のどちらが費用(コスト)・便益(ベネフィット)分析から有利かを研究した、人類学者E・スミスの論文でも、「2人の行為者が分与すれば、純利益は私蔵の純利益よりも大きい」と結論していた。シェアリングとプーリングのどちらが有利かは別にしても、分与と協力の経済のほうが争奪と私蔵の経済よりも人類のサバイバル率が高いことを、私たちはよくよく考えてみる必要があるだろう。