アンダーセン『コンピテンシーマネジメント』

図解 コンピテンシーマネジメント

図解 コンピテンシーマネジメント


人事制度とかキャリアパスについて、真剣に勉強をしたいと思って、最近そっち方面の本を読み漁り中。いい本があったら教えてください。>人事方面で仕事をしている人々。
以下、メモ。

p.18
コンピテンシー=高業績者の行動特性
ある仕事において成果をあげている人材(高業績者)によって実証された、有効な行動パターンを生み出すための統合的な能力(行動特性)


ここでいう高業績者とは、つねに有効な行動をとることのできる人をいう。つまり、たまたま有効な行動をとることができただけの“ラッキーヒッター”ではなく、いつでも有効な行動を再現できる人をさす。この「再現性」があるからこそ、コンピテンシーは有効な行動の生起を予測させる「能力」であるといえるのである。


p.23
■スペンサーらのコンピテンシー
達成志向(Achievement Orientation)
精緻さ(Concern for Order, Quality and Accuracy)
積極性(Initiative)
情報収集(Information-Seeking)
他者理解(Interpersonal Understanding)
顧客志向(Customer Service Orientation)
影響(Impact and Influence)
組織認識(Organizational Awareness)
関係構築(Relationship Building)
人材育成(Developing Others)
指揮管理(Directiveness)
チームワーク・協同(Teamwork and Cooperation)
リーダーシップ(Team Leadership)
分析思考(Analytical Thinking)
概念思考(Conceptual Thinking)
専門的技術(Technical/Professional/Managerial Expertise)
自己統制(Self-Control)
自信(Self-Confidence)
柔軟性(Flexibility)
組織への参画(Organizational Commitment)

■ロバート・ウッドらのコンピテンシー
コミュニケーション(Communication)
達成志向・成果志向(Achievement/Results Orientation)
顧客志向(Customer Focus)
チームワーク(Teamwork)
リーダーシップ(Leadership)
計画と組織化(Planning and Organizing)
ビジネス意識(Commercial/Business Awareness)
柔軟性・適応性(Flexibility/Adaptability)
人材育成(Developing Others)
問題解決(Problem Solving)
分析思考(Analytical Thinking)
関係構築(Building Relationships)


p.58

個々の人材の強みをうまく活かすことができなければ、個々の仕事はうまく遂行されない。適材適所の重要性は増すばかりである。この適材適所を実現する能力主義において有効な考え方が、コンピテンシーなのである。


p.59

仕事の要件と人材の能力が合致しない場合、人材の能力を補正する


p.79
効果的な研修体系は、個人のコンピテンシープロファイルに応じて研修プログラムを選択するもの。たとえば、リーダーシップ・コミュニケーション・チームワーク・説得/影響力・人材育成・分析的思考などの各コンピテンシーのうち、強みの強化に主眼を置いて能力を開発していく。


p.102
コンピテンシー型人事制度の全体像

コンピテンシー型人事制度はインプット・スループット・アウトプットのカテゴリーごとに全部で9つの部分に分類される。

【インプット】
キャリアマップ:
キャリアの種類を分類し一覧化したもの。キャリアマップ上の各ハコ(キャリアボックス)はコンピテンシーモデルを設計する際の設計単位としても使用される。

コンピテンシーモデル:
キャリアマップで示されたキャリアボックスに該当する仕事(あるいは役割)で高い成果をあげるためにとりわけ必要なコンピテンシーのセットとその具体的な使い方を示したもの。

トレーニング:
コンピテンシーモデルで示されたコンピテンシーを強化させるモジュール。

キャリア審査:
キャリアボックスを移動する際に使用するモジュール。移動先のキャリアボックスのコンピテンシーをアセスメントなどによって審査する。

ベース給:
該当するキャリアボックスの仕事(あるいは役割)に応じて安定的に支給される報酬。

スループット
行動モデル:
コンピテンシーモデルの一部。キャリアボックスの仕事(あるいは役割)で成果をあげるために必要な具体的な行動が示されている。

行動評価:
成果をあげるために必要な行動をとったかを評価するモジュール。

【アウトプット】
成果評価:
キャリアボックスで定義された仕事(あるいは役割)において期待通りの成果をあげたかを評価するモジュール。過程ではなく、最終的な結果を評価する。

アウトプット給:
行動評価と成果評価をふまえ、個人が出した成果に応じて支給される報酬。


p.143

キャリアのハコに応じてコンピテンシーモデルが設計される。

コンピテンシーモデルは各キャリアボックスの人材要件である。