ヨーナス・リッデルストラレ+シェル・ノードストレム『ファンキービジネス』

ファンキービジネス

ファンキービジネス


おもろいパンクスな大学教授2人による本。おもしろい。特に「おおー」と思った部分を以下にメモ。

p.196

ABBのパーシー・バーナビックは時々、「ABBには2種類の人間が混在している。一つはAC(after computers)と呼ばれ、もう一つはBC(before computers)と呼ばれている」と言っている。25歳以下の連中はIT革命を知らない。だが、ITの進化は知っているのだ。彼らはITとともに生まれたのだ。物心ついた時、すでに周りにあったのだ。彼らの多くにとって、パソコンは、世界に存在するモノの中でも最も自然なモノなのだ。(略)連中は人生や仕事について、これまでの常識にとらわれない新しい質問を突きつけてくる。連中は自分たちの仕事のあり方自体を変えたがっているのだ。「働くために生きる」代わりに「生きるために働く」のだ。


p.204

未来においては、さらに多くのモノが互いに融合することだろう。パッチワーク国家、パッチワーク文化へようこそ。現在の世界では、モノがあり余って仕方がない。あらゆるものが飽和状態で、何の新しさもないものが溢れ返り、世界をツマラナイ場所にしている。そんな状況を打開する妥当な手段として、誰も考えつかなかった方法で既成のものを「ハイフン」で組み合わせることが考えられる。その組み合わせが変わっていればいるほど、結果はユニークなものとなる。オレたちの時代の現実は、既存のものをハイフンでつないで世界中があっと驚く未知の何かを作ることを要求しているのだ。

例えば、エデュテイメントカフェ・ラテ、コーポレート・ユニバーシティ、バイオテックなどなど…


p.322

ビジョンを反復して伝えること、そして慎重に純化されたメッセージを送ること。だが、それだけでは十分ではない。魅力的な話をする才能も要求される。本物のリーダーとは、CSO(チーフ・ストーリテリング・オフィサー)=最高の語り部だ。


p.355

今の時代では、勝ち組はIWC(idea-generators without capital=資本のないアイディア生産人)であり、敗者はCWI(capitalists without ideas=アイディアのない資本家)なのだ。才能がカネを動かすわけだ。
成功への道は基本的に2つある。1つは世界中を飛び回り、油田で起きた火事を消すレッド・アデアのようにハイパースペシャリストになる手だ。つまり、特殊な湿疹、焼き菓子、スポーツ、学期など何でもよいが何かのエキスパートになるという道だ。繰り返し何度もフォーカスを調節して、それからグローバル展開に挑戦するというのが、その方法論だ。もう1つのやり方は、正反対のモノを組み合わせる「ハイフン家」として成功することだ。パフォーマンスを見せる技術者、ビジュアルで魅せる人間工学者、心理学を知り尽くした言語学者、コンピュータなら誰にも負けないエコロジストなどがすでにこの地球の上を歩いているのだ。