川上和久『イラク戦争と情報操作』
- 作者: 川上和久
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/07/28
- メディア: 新書
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戦争とメディア報道について考えるきっかけになるようなコースを、現在開発中。その関連で下準備のために読んでました。思えば、卒業論文のときにもこういうの取り上げてるんですよねー。ちょっと懐かしかったかも。
以下、メモ。
p.12
権力がメディアを一元的に管理
↓
情報のうそ臭さが目に付き、うわさなどのネットワークコミュニケーションが働き、情報のウソ臭さを埋めようとする動機づけが生まれる
「
しかし、民主主義社会で、言論の自由、報道の自由が保障されているかに見える社会においては、「ウソ臭さ」と「真実性」の間の溝を埋めるためには、相当の想像力を必要とするし、メディアに依存することで、その溝は埋まったと思い込んでしまうことも多い。
」
p.23
ホワイトプロパガンダ:
事実を誇張して伝えたもの
ブラックプロパガンダ:
ありもしない事実をでっち上げる
「メディアは政治的武器でもある」
p.50
プロパガンダ7つの方策
(ミラー教授・コロンビア大学)
1)ネーム・コーリング
攻撃したい対象に対して、悪いイメージのレッテルを貼る操作。情報の受け手に、悪いイメージのステレオタイプを想起させる。悪魔、殺戮者、神の敵などなどが利用されている。
2)華麗な言葉による普遍化
多くの人たちが普遍的価値を求めているシンボルと、対象を結びつける手法。「自由」「正義」「民主主義」「愛」「平和」「富」など。
3)転移
多くの人たちが受け入れやすい、権威ある存在を味方につけることによって、自らの考えを正当化しようとする試み。キリスト教の信者にとっても教会の権威。歴史的な権威などなど。
4)証言利用
信憑性があると認められる人物が語った、という形で人物の証言を利用し、自分の説得性を高める方法。
5)平凡化
コミュニケーションの送り手が、受け手と同じような立場にあることを強調し、その人物への親近感を得る方法。庶民的イメージを訴えかける。
6)カードスタッキング
都合のいい事柄を強調し、都合が悪い事柄を隠蔽する手法。メディアを利用した「宣伝」と、事実を隠蔽するための「検閲」などがある。
7)バンドワゴン
大きな楽隊が目を惹くように、その事柄が、世の中の趨勢であるかのように宣伝する方法。それに従わないことにより取り残される情緒的不安を覚え、結局はその「楽隊」にしたがっていくことになる。
p.220
川上和久『情報操作のトリック』も読んでみようかな。