ローレンス・レッシグ『コモンズ ネット上の所有権強化は技術革新を殺す』

コモンズ

コモンズ


ずっと前から読みたいと思っていたのを、一気に読みました。ネットを使っていて、やっぱり知らない人から助けてもらったり、パッチがあって助かったり、シェアウェアを利用したり、そういう経験をした人は、この「コモンズ」という考え方には共感できるのでは。
ネットの設計なんかについては、あまり勉強してきたこともなかったので、e2e理論とか勉強にもなりました。

以下、ちょっと細かく偏りの激しくあるメモ。

p.60
エンド・ツー・エンド理論(e2e):
・ネットワーク設計者がネットワーク用のプロトコルとアプリケーションを開発するときの指針。
・ネットワークにおける知性は終端、つまりアプリケーションにおいて、ネットワーク自身は比較的単純にしようとする。
・インターネットの設計原理の中でもキーとなる原理。
・ネットワーク内部のコンピュータは、各種のさまざまなアプリケーションで共通に必要とされる、語句単純な機能だけを実行すべき。

p.70
e2e論の根底にあるのは、「適切な保護を実装する一番いい立場にあるのはシステムやアプリケーションであってネットワーク自身ではない、という発想だ。」

この原理のために、インターネットがイノベーションのコモンズになれる

・イノベータは他の誰の許可も得ずに新しいアプリケーションを開発して導入できる。
・誰もアプリケーションを実行するにあたって「インターネット」に登録しなく帝位。

p.357
「デジタル映画製作のコストが下がるにつれて、教育者は映画製作を学習手段の一つとして実験している。映画による表現には何かちがったところがある。」

p.358
映画製作を学習の中に取り入れることは「思考プロセスを変化させる」こと。

生徒は広範な既存映画を利用して、それを新しい創造的な形で組み合わせ、自分で撮影した新しい場面で補う。

この作品は公開できない。
・他の生徒は見られない
・そこから学ぶこともできない

ゼロックス社PARC主任科学者ジョン・シーリー・ブラウン:
「わたしにとっては、これが教育の(中略)向かう先だ。デジタルに育つ生徒たちが考えて学びたいのはこういう形でだ。でもわれわれは、今日のデジタル学生達の自然な性向を完全に抑圧する法体系を作りつつある。