ポール・ヴィリリオ『情報エネルギー化社会』

情報エネルギー化社会―現実空間の解体と速度が作り出す空間

情報エネルギー化社会―現実空間の解体と速度が作り出す空間


どうしてこの本を読み始めたのか、覚えていない。っていうか、どうして買ったんだっけ?でも、今まで読んだことないような感覚がする。何が違うんだろう。
ヴィリリオは建築や都市計画に通じている人。そのルーツが文章を特徴的にしているのだろうか。「速度」という独特の視点がとてもおもしろかった。

塊として「ここは!」というのを読み取れなかったんだけど、逆に小さな欠片としてここもっと知りたい!とか、勉強してみたい!と思う点がたくさんあったな。

以下、メモ。

p.57
加速によって…
「地上のすべての人々は、地域市民として自覚するよりも、同じ時間を生きる地球市民として自覚する機会が増えるだろう。コミュニケーション技術の発達によって、人々はそれまで属していた隣接空間や旧来の国民国家(あるいは都市国家)空間から、一瞬のうちに特定の場を持たない地球国家共同体へとスライドするのだ」

p.67
新聞について
「世界はどのように支配され、戦争へと導かれるのか?外交官達はジャーナリストに嘘をついているにもかかわらず、ジャーナリストの書いたものを読み、それらを信じているのだ」(カール・クラウス 1915年)

p.222
ポール・ヴィリリオのテーマ
「空間が解体されて、時間が支配する社会が到来する」(『速度と政治』1977)
・権力はより速い速度技術を持った者が手にする
・馬、鉄道、飛行機、ミサイルなどより高速の武器技術を持つ物が権力を握ってきた

・現代では、加速の段階は過ぎ、「その場に静止すること」が最大の速度(ハワード・ヒューズ

・静止したまま、自分は移動せず、情報を移動させる