岡田斗司夫『東大オタク学講座』
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/09
- メディア: 単行本
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ブックオフでゲット。何となく読んでいたが、やっぱり一つのことを極めた人ってのはすごいね。話もめちゃめちゃおもしろいし。兵頭二十八(にそはち)さん、極端な話のようで、論点としてはそっかあと思わされてしまう。
恐るべし、オタクの世界。生徒にカバンに入れていたところを見つかって恥ずかしかった(笑)。いや、タイトルがね…(笑)
以下、メモ。
p.35
ゲームの見方
「粋の眼」…作者の意図や作品の意味やテーマを見通す眼
「匠の眼」…ハードウェア・ソフトウェアの両方からテクノロジーを批評
「通の眼」…物事を社会的に見る、歴史的や進化過程と影響をとらえる
p.120
「忙しい作家の場合、描いてる間どのような状態であるかというと、コマ割って先生がペン入れした段階で、一度すべてのコマをばらばらに切り刻んじゃうんです。カッターでバラバラにして、それを各アシスタントに「はい、君はこのコマやって」と分配しまして、ホワイトなんかも超強力なアメリカ製2000ワットドライヤーでグワァ〜ッと乾かしまくって、そうやってできあがったモノを裏からガムテープでバキバキ貼って仕上げてるんですよ。」
p.263
ヤオイ=「ヤマなし、オチなし、意味なし」の略語
p.297
兵頭二十八
「自分たちにとって痛いことは相手にとっても痛いはずだ」というカンちがいを皆してしまうようです。戦時中の日本はどうだったか。日本は貧乏国家だから戦艦一隻の価値は人間1000人の命よりもはるかに重い。それで、「きっとアメリカだって戦艦を沈められたら戦意を喪失するだろう」と思い込んで真珠湾を空襲した。ところがアメリカでは戦艦一隻より乗組員1000人の命の方が重かった。逆に硫黄島の戦い程度のちっぽけな損害ですら、「こんな作戦を続けるのは犠牲が大きすぎる、やめろ」という世論が沸き起こったくらい。だからアメリカ側は「日本もたぶん自分たちと同じように、空襲で大勢の国民が死ぬことには耐えられないだろう」と考えていた。だけどいくら空襲で国民死なせたって当時の主権者であるパワーエリートたちに直接与えたダメージは微小だったから、ムダな犠牲ばかり増えたわけです。「対主権者への直接アプローチ」の着眼がないとそうなる。」