橘玲『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門

お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門


経済教育のために文献漁りをしていて読んだ。サラリーマンって、悲しいなあと思った。ダークサイドを歩かず、一工夫でこれだけ違うというのは、大きい違いだよね。ファイナンシャルな基礎知識についても、デバイドは起こっているに違いない。

以下、メモ。

p.9
人生を経済的側面だけに限定すれば、その目標は、「経済的な独立(Financial Independence)」を獲得することと言えます。「経済的独立」とは、簡単に言えば、誰にも依存せずに人生を自由に設計するだけの十分な資産を持つことです。経済的に独立していないと言うことは、気づいているかどうかにかかわらず、誰かの奴隷である、ということです。

p.9
最短距離で「経済的独立」に到達するためには、人生を効率的に設計する必要があります。これが、「近道」です。
近道を探すためには、何よりもまず、私たち日本人の人生を根底から規定する政治的・経済的要因について知らなければなりません。

p.72 不動産という呪縛
家を買うことは、日本人の人生設計において特権的な地位を占めています。そこに「家族の絆」のような特別な意味を見出す人もいます。
しかし、同じ家を所有しようが賃貸しようが、使用価値に変わりはありません。家を所有すればそれだけで幸福度が増すというのは、かなり特殊な思想です。それが個人のアイデンティティにまで達すれば(「家を買えば私は買われる!」)、カルトの一種と言うほかありません。

p.146〜p.147
歪んだ制度の下で生きることを余儀なくされている私たちにとって、国家の負の側(ダークサイド)を歩まず、合理的に人生を設計する方法はふたつあります。

1)できるだけ税金を払わない。
2)できるだけ多く再分配を受ける。

国家は国民に対して公共サービスを提供
・道路などの交通網
・電気、ガス、水道などのライフライン
・警察、消防、軍隊などの安全保障のような社会インフラ

国民すべてが受益者となるものなので、広く負担を募って、サービスの提供を国家に委託(アウトソーシング)した方が効率的だと考えられるから。
資金の拠出は税金の形でなされる。これを公共サービスとして再分配するには人手と金がかかるので、国家は多額の手数料を徴収する。
:国家の規模が大きくなるにつれて行政機構が肥大化する理由。

民主制国家では、富の再分配は、国民から負託を受けた政治家によって決められます。政治家は地元の選挙民の投票によって選ばれますから、彼らの喜ぶ行動をとらなければ選挙には勝てません。世界情勢や国家の行く末よりも、ほとんどの人は自分の生活が大事ですから、金(仕事)を持ってきてくれる政治家に投票します。こうして政治は、再分配の争奪戦になります。
政治学では、これを「民主制のコスト」と呼びます。民主制はおそろしく非効率なシステムですが、それでも“効率的”な独裁国家や中央集権国家よりずっとマシだと考えるのです。
私たちがまじめに税金を払っても、その大半は無駄に使われていくだけです。なぜなら、民主制国家はそうした無駄を前提に機能しているからです。それを効率化しようと思うなら、独裁者に国を任せるしかありません。

p.160
個人が法人を利用して税コストを下げる4つの基本的なルール:
1)所得税の発生しない範囲で給与を決定する
2)所得税の発生しない範囲で家族を雇用する
3)生活費を法人の経費に振替える
4)個人資産を法人名義で運用する

p.261
海外投資を楽しむ会
http://www.alt-invest.com/